第19話 他者に言えないからこそのコンプレックス

「私、●●がコンプレックスで・・・・」


って。

テレビで顔をモザイクで隠して話しているのを見た人がよく、


「そんなの、気にする事ないのにねぇ」

「相談すればすぐ解決するのにねぇ」


なんて、言っていたりする。


分かってないなぁ、と、思う。

周りに言えれば苦労は無いんだよ。

周りに言えるようなものなんて、コンプレックスとは言わないのだよ。

本当のコンプレックスは、誰にも言えない苦しい悩みなんだよ。

それがたとえ、周りから見ればどれだけちっぽけなものだったとしても。


かく言う私もコンプレックスがある。

言わないよ?

コンプレックスだから(笑)

でもね。

1つは、お金で解決できた!

大人になるって素敵♪

自分でお金を稼げるって素敵♪

って思った。

お金があれば、世の中のコンプレックスの半分くらいは解決できるのではなかろうか。

もう一つはまぁ、無理だな。

お金で解決できるものじゃないし。

誰かに言えばきっと


「そんなの全然気にする事じゃないよー」


なんて、言ってくれるんだろうけど。

言わないよ。

言えない、が正しいかな。

私がそれをコンプレックスだと思っている事を周りは知らないから、たまにそれ関係の話をされる事も、もちろんある。

話をしている人に悪気は全く無いのは分かるから、私も平気な顔で笑って話す。

平気ではないんだけどね。

でも、そうするしか、ないじゃん。

私のコンプレックスは、深刻と言えば深刻なんだろうけど、もう諦めてもいるから、

【解消できないコンプレックスを抱えて、私は一生闇の中に沈んでいるのです】

的な暗さは無いんだけど(笑)。

闇に沈んだところで解消できるものでもないしさ。

だけど。

闇に沈み続けてしまう人も、いるんだよ。

苦しいだろうね。

だからそれをね。


「そんなの、気にすることないのにね」


の一言で、簡単に済ませて欲しくないんだよ。

悪気が無いのは分かってる。

悪気どころか、励まそうとして言ってくれる人がいることも、分かってる。

それでも。

そんな言葉は、欲しくないんだよ。


だからって、どうして欲しいか、と言われれば。

私の場合は、スルーしてくれると有り難い、と思う。

それほど深刻な闇に沈んでいる訳ではないから。

話題に出てしまったとしても、軽く交わせるくらいの抵抗力は付いているからさ。

ただ、根掘り葉掘り突っ込まれると、さすがにイラっとする。

イラッとしたら、顔に出して、拒絶の意思を示すかな。

それでも相手に伝わらなければ、

「この話題、興味無いんだよね」

とか言って、強制終了させるか、全く別の話題を振って、強制終了させる。


深刻な場合は、どうなんだろうな。

やっぱり、触れてほしくは無いと思うんだよね。

でも、誰かに分かって欲しい、という気持ちが、1ミリも無い訳ではないのかもしれない。その気持ちがある場合は、まだ救いがありそう。

分かってあげようとすればいい。理解しようとしてくれればいい。

そんな気がする。

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