第16話 歌い手によって曲の印象は大きく変わる
『神田川』って、名曲だと思う。
【昭和】の名曲。
リアルタイムで聴いていた年代ではないし、『神田川』の世界観は想像でしか体験していないけど、それでも、名曲だと思う。
一般的には、南こうせつさんの歌う『神田川』を耳にする事が多い。
南こうせつさんの声質は、陰か陽かで言えば、陽だと思う。
『神田川』の世界観は、陰。曲調も、マイナー調だしね。
陽の声を持つ南こうせつさんが歌う、陰の世界観の『神田川』だからこその魅力がある。
そう思う。
それは、変わらないんだけど。
ある日。
何気なく見ていたテレビで、松山千春さんが『神田川』を歌っていた。
松山千春さんが歌う『神田川』を、私はその時初めて聴いた訳なのだけど。
全身の皮膚が粟立つ感覚。
耳も目も心も、松山千春さんの『神田川』に、釘づけ。
松山千春さんて、「俺は歌が上手いんだ。美空ひばりの次にな」って、豪語してるだけあって(笑)、本当に歌はメチャクチャ上手いと思う。
人を見かけで判断するのは良くないけど、失礼ながら、あの見かけからは想像できないくらいに(^^;)、透明感のある美しい声。
松山千春さんの声は、陰にも陽にもなる気がするから、不思議。
これも、天才のなせる業か。
で。
『神田川』を歌っていた松山千春さんは、陰の声で歌っていた。
もの哀しい、でもどこまでも透明で澄んだ声で。
南こうせつさんの歌う『神田川』を聴いていると、その風景がなんとなく思い浮かぶ。
松山千春さんの歌う『神田川』を聴いた時は、その風景の中に自分が入り込んでしまった感じ。
すごいね。
歌い手さんによって、歌の印象・感じ方って、ここまで違うんだなぁと。
実感させられた瞬間でした。
今はわりとね、他の方の曲を歌う(カバーする)歌い手さんが増えたけど。
昭和の時代には、ほぼほぼ無かったんじゃないかな。
平成の中盤あたりからかな、増え始めたの。
名曲はね、歌い手さんにとっては、歌ってみたい曲なんだろうね。
そして、歌い継がれるのは、素敵な事。
でもねー。
難しいよね。
大好きな人の大好きな曲は、他の誰にも歌って欲しくない!
っていう、ファン心理も、分からなくもないし、私だってそう思う曲がいくつもある。
この曲は、この人が歌うからこそいいのっ!
っていう曲とか、ね。
まぁ、そう思うんだったら、カバー曲を聴かなきゃいいだけなんだけど、さ。
でも、気になるんだよね。
大好きな人の大好きな曲が、他の人にどんな風に歌われたんだろうって(^^;)
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