第4話 為せば成るなり エビで鯛

お菓子は好きですけど。

お菓子作りに、あまり興味はありません。


趣味:お菓子作り♡


なんて。

ただの一度も言ったことない。


よって。


バレンタインに、手作りのチョコを渡したいな♡


なんて。

思った事も無いし、実行したことも無い。

無かった。

あの会社に入るまで。


だって、考えても見てください。

手頃な価格で美味しいお菓子なんて、この世にゴマンとある訳です。

道具一式・材料揃えて、なんてやってたら、それだけでお金かかるでしょ。

そのうえ、手間暇かけて、絶対に、100%、見た目も良くて味も美味しいお菓子が出来るんだったらいいですけど、失敗したら目も当てられない。

だったら、絶対美味しいって分かっている、手ごろな値段のお菓子を買った方がいいじゃないですか。

バレンタインだって。

義理はもとより、本命にだって、それなりに高級で絶対においしくて可愛らしい(もしくは見目麗しい)チョコを渡した方が、いいと思うのですよ。

お菓子作りが好きなら、別ですよ?

楽しく作って、そのうえ美味しくて可愛らしいお菓子が出来るなら、貰った方だって嬉しいだろうし。

でも、私は興味が無いのです。

楽しく作れもしないし、味の保証もできないし、形だってどうなることやら。

・・・・そんな人間なんですよ、私は本来。


と・こ・ろ・が。


私が以前勤めていた某会社は、女性社員が圧倒的に少ない会社で。

男女比でいうと、10:1くらいだったかな。

全社員で60人くらいいて。

先輩の女性社員に聞いたところ。

なんと。


バレンタインには、毎年男性社員にお菓子を渡している。


とおっしゃる訳ですよ・・・・たまげました。


確かにね。

皆様には、入社早々から、大変お世話になっていました。

公私ともにお世話になっている方もたくさんいらっしゃいました。

(公私の「私」は主に、飲み)

そんな皆様にお渡しするのに、チロルチョコ1個と言う訳にもいかんでしょ。

で、一体どうしているのか先輩の女性社員に聞いたところ。


作っている。


とのことでした。


もう。

目が、点。

まさか、ここに来て、バレンタインに手作りのお菓子を渡す、なんてイベントに遭遇することになろうとは!


そんな訳で。

その会社に在籍していた間、毎年2月は大量にお菓子を作っていましたよ。

簡単なもの、ですけどね。初心者同然でしたので。

クッキーやら。

トリュフやら。

マドレーヌやら。

今の時代、お手軽に美味しくて可愛いお菓子が作れるレシピが、ネット上にはたくさんありますからねぇ。ほんと、素敵な時代。大変お世話になりましたm(__)m

作るのも大変なら、包むのも大変なんですけど。

なんとかなるもんです。

事実、毎年、なんとかなってました。

数が数なので、前日はそれはもう、必死でしたけど。

我ながら、割と上手にできていたと思いますよ?味も、形も。(笑)

おまけに、最後の方には、ほんの少し、お菓子作りも悪くないな、なんて思ったりして。

まぁ、それでも。

会社を辞めると同時に、お菓子作りもすっぱりやめましたけどね~( *´艸`)


でもね。

その会社にいる間のホワイトデーったら!

エビで鯛を釣るとはこの事か!

と思うほどに、たくさん、お返しいただきました♪

ワインとか、いただいたことも。

かえって、申し訳なくなるくらい。

もちろん、ありがたく頂きましたが(*^^*)

一応、喜んでいただけていたのですかね、手作りのお菓子。

今では良い思い出です。


それでもやっぱり。

お菓子作りには、今でも興味は無いのでした。

なかなか上手く膨らまないシュー生地にイライラするより、コンビニでシュークリームを買って食べた方が、精神的にもよろしいですからね、私にとっては。

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