第3話 読書感想文なんてどう採点するの?
国語の教師ではないから(なんの教師でもないけど)、前からずっと不思議だったこと。
読書感想文なんて、どう採点するの?
同じ本を読んだって。
同じ映画を観たって。
同じ音楽を聴いたって。
感想なんて、その人の数だけ、あるだろうに。
教師が求めているであろう『感想』が何となく分かって、求められている『感想』を感想文として提出したこともあったけど。
でもそれって、間違っている。
点数は良くたって、そんなの私の感想じゃない。
国語の授業ではよく、
『作者は●●を意図してこの表現を用いている』
とか言ってるけど。
ほんと~?
ちゃんと本人に聞いたの、それ?
聞いてないでしょ?
仮に本人に聞いたとしても、本人が間違いなくそう言っていたとしても。
読む側に伝わっていなきゃ、何の意味も無くない?
まぁ、それを教えるのが『国語』という授業なのかもしれないけど。
でも、教えなきゃ伝わらないものって・・・・う~ん。
教えてもらったところで、「はいそうですか」って、感想なんてすぐ変わるものでもないしさ。
「なるほど、そんな感じ方もあるんだ」
とは、思うかもしれないけど。
確かにね。
子供だとね。土台となる知識がまだ少ないから、その、土台を教えるのは分かるけど。
基本的に、創作物全般は、作者から読者や視聴者等の手に移った時点で、感想や判断は全て、読者や視聴者等に委ねられるものだと思うのです。
それを採点するって、どうなのかなぁ?
難しくないのかなぁ?
高校の時だったかな。
ある作品を読んで(もう、なんの作品だったか、記憶にすら無いけど)、順番に感想を述べさせられた時があった。
クラス全員が。
その時、教師が求めていた【正解の『感想』】を述べた人は、1人だけだった。
教師は熱弁をふるって、その生徒を大絶賛していた訳だけど。
それって単に、あなたの感想と一緒だっただけじゃないの?
なんて。
当時の私はひどく冷めた目で、その教師を見ていたのを覚えている。
だいたい、40人弱いる人間のうち1人しか正解の感想を抱けないような話なら、話の書き方がまずいんじゃない?
とか。
・・・・まぁ、私も大概、どの目線で言ってんだ、っていうくらい、生意気でしたねぇ(笑)
私は、音楽とか、映像作品は作った事は無いけれど。
たぶん、大枠での『創作』という意味でなら、お話作りときっと同じで。
自分の伝えたいことが伝わる様に作品に想いを込める、表現する、ということは、ものすごく難しい事なんだろうと思う。
私は、確固たる信念を持って、伝えたい事がビシッとあるような作品なんて、ほとんど書けない奴だから(笑)。
もう、自分の手を離れたら、読んでくださる方がどう捉えてくださるかなぁ?というのが、ひとつの楽しみにもなっているのだけれども。
ああでも、作り手が【ここが一番の見せ場と思って作りました!】という所を後で知って、それが自分が一番感動した場面と一致していた時には、ものすごく嬉しかったな。
『美女と野獣』の実写版を劇場で観ましてね(大好きなんです、美女と野獣!)。
後で読んだパンフレットだかどこだかに書いてあった場面が、まさに、私が一番心を持っていかれた場面だったのです。
あの嬉しさって、なんなんだろうな。
一致していなかったら一致していなかったで、「どれどれ?もう一回観てみようかな?その場面を重点的に」ってことで終わるんだけど。
そんな訳で。
未だに不思議なのですよ。
読書感想文なんて、どう採点するの?
ってね。
もういっそ、読みたくもない本読ませて、後書き丸写しの感想文を提出させるのではなくて。
【マンガでもなんでもいい。好きな話を自分の言葉で紹介してみよう!】
というのは、どうだろうか?
マンガなら、何巻のどの話が好きだ!
とか。
あのシーン、絶対感動するから、是非読んでみて欲しい!
とか。
その方が、みんな楽しく、自分の言葉で、感想文書けると思うんだけどな。
もちろん。
提出したら、みんな100点で!
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