生徒からの質問

「センセー。授業ダルいですー」


 一番前の席から気だるそうな声がした。

 この生徒。容姿はとても良く、友人も多いのだが如何せん授業態度が悪い。

 この手の生徒は表面上は教師と仲が良くても裏では色々と言われているものだ。


「お前な……。そんな態度だと内申点下げるからな」

「ありゃりゃ……。それはマジ勘弁……」


まあ、若さに免じて今回も許してやろう。それが指導者というものだ。


「それにしても、歴史の授業は退屈ですよー。もういない人間の話をしてもしょうがないじゃないですかー」

「そう言うな。過去にいた人間の行いを学ぶことはこれからの私たちにとっては大切なことだ」


 そう言って授業を進める。相変わらずその生徒はずっとあくびをしている。




「はい、今日はここまで。各自復習をしておくように! 何か質問のあるやつはいるか?」


「センセー! 質問です」

手を挙げたのは先ほどの生徒だった。



「何で人間は滅んだんですか?」


「そこはもう少し先の授業でな」


「はーい!」




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