アプローチ14

連絡したいのに

キッカケがないので

何もできない日が続く。


進展は望んではいないものの

やっぱり近づきたいとは思う。


これが、下心なのか…?


いやいや、そんなものではない!

ただ、可愛がりたいだけだから!


自問自答。

一喜一憂。

支離滅裂。


はぁーーあ。




そして今日もキッカケのないまま

1日が過ぎる。


仕事で関わることが多くなったとはいえ

それについてLINEするほどのことでもないし…


不器用なのは知っていたが

まさかこれほどまでとは。


自分に泣けてくる。



hanaさんから連絡が来たらいいのにな。


いや、そんな都合いい話があるわけ…


あるわけ……



昼休みのスマホは

hanaさんからのメッセージを表示していた。



思わず食べかけていたおにぎりを置いて

ドキドキしながらひらいてみる。



「お疲れ様です!

Tさんの仕事内容について、

わかる人っています?

坂下さんわかるかな?」


ん?Tさん?


「仕事内容については、

課長が把握してると思いますが…?」


「そうですか。ありがとうございます!」


あっけなく終わってしまった。


「何かありましたか?」


無理やり繋げる。


「今日Tさんに入力について聞かれたんですけど

経緯がわからなかったので^^;」


あー。Tさんだもんな。

内容整理しないまま、思うがまま話してくるから

時系列もめちゃくちゃで意味不明。


「あ、なるほどです。お察しします…」

hanaさんて、本当に人当たりが良くて

社内のほとんどの仕事について把握しているから

めちゃくちゃ頼られてる。


Tさんのことも

意味不明ながらも、解決しようと努力してるし

こちらが問いかけたことや依頼したことは

すぐに対応してくれるから本当に頼りになる。


みんな面倒なことは後回しにしがちだけど

hanaさんだけはいつも1番に対応してくれる。


だから忙しいんだろうけど。


「お昼休みにすみません。

ありがとうございます!

お昼からも頑張りましょー!」


いや、むしろいつでも連絡してほしいんですが。


返信したかったけど、

ここで返信したら終わってしまうから

帰ってからにしようと、グッと堪えた。



hanaさんから連絡がきた。


hanaさんから連絡がきた。


hanaさんかられんらくがきた!



ほらな。

もうそれだけで舞い上がる。



もし君が

何も知らずにいるのなら

教えてあげたい。


君のそのメッセージだけで

頑張れる男がいることを。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る