第14話 ついに知らされるミラナリアの力
メロロ王国では魔物の問題を解決するために宰相が前国王の遺品を全て確認していた。目的のものを捜し始めて3日間、ようやく彼は目的の品を捜し出せたのだ。
「あった、これだ、これこそが陛下が生前に遺されていた手記だ!」
ようやく宰相は前国王の手記を見つけると嬉しさのあまり、大喜びする。魔物の問題を究明していた貴族たちがそんな宰相に気づかないわけがない。他の貴族達もようやく今回の真相が分かると安堵するのであった。
「宰相殿、見つかったのですね!その中に今回の騒ぎの原因が?」
「あぁ、中身は見ていないが恐らくそうだろう!これで、ようやく原因がわかるぞ。原因さえ分かれば対処など容易なものだ。」
宰相の持つ手記に貴族たちは一斉に注目する。何ページか読んでいくと、今回の騒ぎに関係ありそうな内容を発見する。
「よし、私のにらんだ通りだ!ここに魔物のことが書かれているぞ。」
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平民であるにもかかわらず、変わった能力を持った人間を見つけた。あれの能力は結界と言うらしい。用途は分からぬが、珍しいため城に縛り付けるか?
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なんということだ、ワシは天才なのか!そうに違いない。あれの利用方法を考えついたぞ、わが国の領土をすべて例の結界で覆えばよいではないか。そうすれば魔物たちが外から入ってくることはないぞ!ワシは天才だ。
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あれに結界を張らせ、内部に残っていた魔物たちも駆逐した。これで、この国は未来永劫、魔物の被害にあうことはない。この力はワシのものだ、ほかの貴族連中にも教えてやるものか。
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ワシ、やっぱり天才だ!いや、天才なんて言葉では言いあらわせない。気づいてしまったのだ、あれに子供を産ませればその能力も遺伝するのではないか。そうなれば、結界と言う力を持つ人間を増やすことができる。
そうだ、ライカハンあたりの婚約者にしてしまえばよい。そうして生まれた子供を各国に派遣し、奴らから継続的に金をもらうのだ!魔物の被害が無くなるのだ、いくらでも金をとることができるぞ!
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全く、ライカハンのやつ、あんな平民が婚約者になるなどありえないだと!そんなことは理解しているが王子はお前しかいないのだ。別にあれを婚約者として扱えとは言っていない。大切なのはあれと、その子供が引き継ぐ能力だけなのだ。ワシの壮大なる計画のために我慢しろ。
宰相が読み上げた前国王の手記の内容に貴族たちは動揺を隠せないでいた。もちろん、宰相でさえもだ。彼らは理解しているはずだが、その内容の衝撃さからしばらくの間、誰も一言も発することができないでいた。
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