4−5TRUST②

最初は転校生なんてきにも止めなかった。

でも…

「私、クラスの人全員と友達になりたいんだ。だからさ松本さんも仲良くしてね」「…」無視をした。関わっても無駄だから。それから麻美は私以外のクラスメイトと仲良くなっていた。クラスは麻美を中心にまわっていくようになった。


「千代ちゃん、今日一緒に帰ろ!」「なんで私にそんな構うの?」「友達になりたいからだよ」「馬鹿じゃないの…」ふと麻美の顔を見ると笑っていた。「なにがおもしろいの?」「はじめて話してくれたから嬉しくて」こんな人もいるんだなと思った。そう思うと少し麻美に興味がでてきた。「いつかは一緒に帰ろうね。私はいつでも大丈夫だから」麻美が離れていくとき「待って」私はとっさに麻美の手を握った。言葉がでなかった。「どうしたの?」そんな私に麻美は優しく言葉をかけてくれた。私は勇気が出せなかった。でもそれじゃダメだってわかってる。「一緒に帰ろ」その言葉は私にとって大きな意味をもつ言葉だったと思う。そして麻美は「いいよ。行こう」私の手を引っ張り、門を出た。

その日私は麻美とたくさん遊んだ。


「今日は楽しかったね」「うん。私こんな楽しかったのはじめて」「私もだよ。松本さんと友達になれてよかった」友達…ずっと私には関係ない言葉だった。けど今は違う。麻美のおかげで

「あのさ、私のこと千代でいいから麻美って呼んでいい?」「うん。もちろん」私は麻美のおかげで変われた。


これからもこんな日常が続くと思っていた。

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