第27話 臨時リーダーに僕はなる

 くじは最後に引いた。

 残り物には福があるって言うしね。


「全員引いたな。それじゃあ開けてくれ」


 さて、【赤薔薇ローズ】に入ってハーレムになるか、それとも……


 ペラ


百獣の大剣ビースト・デュセス


「oh……」


 名前を見て絶句。 


 こういうのって普通、女子しかいないギルドに行って、チヤホヤされるのがお決まりじゃないの?


「ハッハッ、見ろや仮面野郎! 運も俺の方がリーダーに相応しいと言っている!!」


 パンティーくんが自慢げに見せてきた紙に書いてあったのは【悪魔の凱旋ナイトメア】の文字。


「うわ……」


「くっくっ、これで俺が悪魔の凱旋ナイトメアのリーダーになることは確定。今のうちにお別れの言葉を考えとくんだな!」


「まぁ3日だけだけどね」


「いいや、この3日で俺の良さを知ってもらってお前には悪魔の凱旋ナイトメアのリーダーを降りてもらう。そして俺が新しいリーダーだ!」


「はいはい。仮にそうなったとして、自分のギルドはどうするのさ」


「捨てる!」


「最低だね」


 パンティーくんじゃなくてクソ野郎って呼ぼうかな。


「クロウは私のところじゃなかったか。残念だが、また次の機会に取っておくよ」


「ちなみにセリスはどこなの?」


「私は逆境の絆スノードロップだ。あそこのギルドは気になってたし、いい機会だな」


 僕も【赤薔薇ローズ】か【 逆境の絆スノードロップ】が良かったなぁ……。





「って、訳で、3日間ギルドを離れまーす」


 屋敷に帰り、ギルドハウスでの出来事を報告する。


 終始みんな無言で聞いていた。


「ガルガ、ホルス」


「あ、主! 俺たちと昼飯食べに行きませんか?」


「あー、たしかに昼時だね。いいよ。せっかくだし、みんなも——」


「わ、若! 男子会やりましょう。男子会!」


「男子会? んー、確かにあんまりやったことなかったね。いいよー」


 何故、唐突にやろうと思ったんだろ?


「ルルたちもそれでいいの?」


「ええ、私たちは女子会をするから」


「そっか。じゃあ行ってくるね」


 ギルドリーダー交換の事は伝えたので、僕は安心して出かけた。




 


「——それじゃあ女子会を始めましょうか」





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