交錯が僕を呼ぶ 第15話

大作は何を想う

ふたつの優しく可憐な花に

消えては失っていく心

それは葛藤の中にのみに存在する

瞳に写る二つの花が悲しく大作の心に響く

二つの花を追い求める音として

大作の心に響く


沖田を追うサチヨ

花たちは共に咲くのだろうか



沖田さん

どうして・・・


サチヨさん





大作さん

大作さん

大丈夫ですか

うなされいましたよ


なんだか遠い記憶のようだったよ


私の記憶はありますか


すみれさん


はい


どうして、そんなに悲しい事を聞くの


ごめんなさい

大作さん


どうして、謝るの


ごめんなさい


遠くで記憶が響いたような気がして

僕こそ、ごめんね


いえ


散歩しようか


はい

私が大作さんの右の腕になってもいいですか





船頭さん

もう、江戸には帰れないですよね


それはあなたの気持ち次第ですよ


サチヨさん・・・


沖田さん

すぐ、そちらに向かいます

待っていて下さい




サチヨさん



沖田さん

京には行かないで下さい



サチヨさん




沖田さん

どうして向こうへ・・・

どうして




サチヨさん

もう僕はサチヨさんの船に乗ることはできないんだ


船頭さん、まっすぐ行ってください


わかりました



どうして



僕には京が待っているんだ

時代が僕を呼んでいるんだ

元気でね

サチヨさん



どうして



船頭さん、早く前に進んでください


わかりました






遠かりし想いに身を寄せて



すみれさん

どうしたの


いえ


大作さん

友恵さんのそばに・・・


どうして


私は友恵さんに及ばないのです

遠く

遠くです



すみれさん

僕はどうすればいいのかな






八生さん

会いたいよ

もう、強い僕とは会ってくれないのかな

八生さんへの想いは誰にも負けないよ

どうして、空へ



互いの想いは交錯する

なぜ

静かなる川の流れは

静かな囁きとなり大作への想いへ届く

想いがサチヨへの元へ引き寄せられるのか




どうして


なぜ


なぜなんだ




僕はもう空かな

空だったらいいな

八生さんが近くに見えるから

でも

どうしてこんなに強い

確か

僕が苦しいときに応援に来てくれるんだったよね




大作さん



すみれさん



沖田さん



サチヨさん



佑介さん



八生さん

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