希望という光 第11話


ファーストストーリー 幕末 白き剣




「重複していたので削除、ここになんらかの話を入れる事」





おい、あの女は


そうだな、奴の


捕まえて奴らに渡せば金になるぞ


そうだな


よし、やれ



あなた達は


ははは

誰でもよかろう


捕まえろ



キャー

やめて下さい



あれは、里江さんの声

どこだ

向こうからか



おい、誰かこっちに来るぞ


沖田さん

助けて下さい


沖田か何処かで聞いたことがあるが



おお、その細い腕で俺達とやるのか

女みたいな白い顔だな

帰って、お母さんの所に帰りな


バサ


ううう


皆、やれ


おお



ススス


バサ バサ サ


ズ グサ



やめてくれ、助けてくれ

おい、逃げろ



里江さん、大丈夫でしたか


はい、ありがとうございます

宿まで送りましょう


はい


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

セカンドストーリー 昭和高度成長期 想いはふたつになって僕の胸に


北川さん、そろそろ退院できそうですが

片腕で視力がなければ障がい者の施設ですね

ご両親にはお伝えしました

明日には病院に到着するそうです



翌日


お母さん


大作・・・どうして

うううう


お母さん

泣かないで


お母さんが身代わりになってあげたい


お母さんは長生きしてくれるだけでいいよ


大作・・・


それだけでいいよ

お母さん


そういえば、すみれさんも東京に行ったそうね

ご両親から聞いたよ


それは分かっているよ


お母さん

僕はもう何もできないよ

すみれさんとも・・・




ドアは悲しく響いた

バタン




あら

すみれさん


いえ、私は友恵といいます


友恵さん

僕のお母さんだよ


すみれさんに、そっくりじゃない


そうだろう、お母さん


ところですみれさんは


もうすぐ、来るはずです



お母様


あら、すみれさん

大作のためにわざわざ東京に来てくれて

ありがとうね

でも、大作がこの様な状態になって


お母様・・・



視覚障がい者施設にて


僕は施設という名の檻の中で生活している

それ以前に僕にはもう光を感じることが出来ない

ただ、優しい光は感じる

すみれさんも友恵さんも僕を懸命に支えてくれている

光は見えなくとも、二人の姿は見える

それが僕にとっての救いだ

ただ、その救いは僕にとって苦しみ

二人はお互い同士をどう思っているのだろうか

僕の気持ちは何処に届ければいいのだろうか

友恵さんの僕に対する気持ちは十分すぎるほどわかる

しかし、僕にとっては複雑という気持ちしか存在しない




友恵は想う


私はどうしたらいいのかな

大作さんは、すみれさんを愛している

私は優しいだけの人

そうですよね、大作さん

大作さんには

すみれさんがいる

今において

私はもう会わない方がいいですね

でも

そう思えないのは

どうして

もう、大作さんに花を届けに行けないのかな

そう

私の心は大作さんに届かない



すみれは想う


大作さん

とても複雑です

でも、それ以上に大作さんの姿を見るのが辛いです

せめて、私の右腕をあげたい

そうしたら、抱きしてめてくれますか

大作さんの温かい胸に飛び込んでいけますよね

でも、私が今できることは

大作さんのそばにいる事だけ

でも、友恵さんもいる

どうしたらいいのですか

もしかして

もう、大作さんは友恵さんを想っているのですか

それは、仕方ないですよね

それに、私は恋人にはなれない

この汚れた体では

そばにいるべきでないでしょ

でも、私の気持ちは分からない


大作さん


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


サードストーリー 現代


ポートレック

アメリカに着いたな


トレーナーに会いに行こう


はい


お前はここから羽ばたくんだ

わかったか

アメリカでしばらく合宿する



ジムにて



初めまして

ポートレックと言います


私はジェフ・ローリングです

話は聞いておりましたが

実にいい体をしていますね

体幹がしっかりしています

早速ですが、軽くアップして

スパーをしてみましょう

たまたま、アメリカ国内チャンピオンが来ている

私は彼のトレーナーもしているから

君の実力がどの程度かわかるかな


はい


ポートレック

準備はいいか


はい


それでは、始めましょう




カーン



ふむふむ

会長、彼はまだ粗削りだが

アジア人特有のタフネスと精神的な強さを感じる事ができますね


そうですか


まだまだ、彼は伸び代がありますね

基本的な技術に私が教えるテクニックを使えば

ユウスケ サトヤマには勝てるかもしれない

かもしれないだけどね

彼はスピード、パワー、テクニック、全てにおいて

誰より抜きんでている

ただ、私が見えないものが一つある


それは何でしょうか


ハートだよ


一方的に負けた試合を見た事がないからね

そこだけだよ

彼の隙を狙うとしたら

後は彼のタフネスに賭けるしかない

重要なのはディフェンスだ

スピードは明らかに違う

どこかのタイミングでカウンターがとれればいいが

後は彼の精神力だね


分かりました



ボス ボス


ボディをあれだけ打たれても前へ出る

あれがポートレックの持ち味だよ



カーン



スパー、ありがとう

君がユウスケ サトヤマに挑戦するのか


はい


クレージー

諦めた方がいい

僕も彼のスパーリングパートナーをしていたけど

子供扱いだったよ

彼は別格だ

悲しい思いをするだけだ

デビルは、強すぎる

無理だ

階級を上げたらどうだ

間違いなく勝てない


いえ、必ず勝つと家族に約束してきましたから


そうか

それじゃ

グッドラックを祈るよ


ありがとうございます



会長、僕は本当に勝てるのでしょうか


何を弱気なことを言う

そんな気持ちでは絶対勝てないぞ

お前は何のためにボクシングをしているんだ

家族のためだろう


そうです

子供や妻に美味しい料理を食べさせてあげたい

そういう気持ちです


それなら、とにかく練習だ

アメリカでジェフトレーナーのもとで経験を積むんだ

わかったな


はい


俺は勝つ

裕福な生活が待っている

だから必ず勝つ

勝てるんだ

そう、信じろ





僕は裕福なんだろうか


僕を支えてくれる人は誰もいないじゃないか


八生さん


どうして

























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