ハッピーエンド 現実も日記も

 久保くんはとぼとぼと登校している。

 なぜかって?

 久保くんは坂田さんのことを好きだけど、あまりよく坂田さんのことを知らないからだ。

 久保くんは今までの日記の世界が現実にはないって思っている。

 それじゃ、久保くんと坂田さんの今までは?

 それは確かにあるだろう。

 楽しい毎日、それを久保くんは見失いそうになっていた。

「おはよう!」

 坂田さんが笑顔で朝の挨拶を久保くんにしてきた。

「お、おはよう」

 久保くんはちょっとびっくりする。

 すると、坂田さんが久保くんの手を握ってこう言った。

「気付いてよ? 久保くん?」

 坂田さんに手を握ってもらって、久保くんは心臓がドキドキする。

「え?」

「久保くん、付き合ってください!」

「え? え? う、うん!」

 やれやれ、どうやら久保くんの日記は内容がやたらこじらせている、わけでもなかったようで。

 笑顔同士の二人。

 久保くんは次の通りに今日の日記に書いたとさ。


『坂田さんと付き合うことになった。嬉しい。手もつないだし、次の日にはデートの約束をした。坂田さん、ありがとう! これからも、よろしくね!』

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久保くんの日記は内容がやたらこじらせている 野口マッハ剛(ごう) @nogutigo

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