第1話 朝の挨拶

 久保くんは今日も高校へと向かう。

 朝の新鮮な空気である。

 久保くんは今日はどんなことを日記に書くのだろうか?

「おはよう!」

 そう朝の挨拶をしたのは、坂田さん。

「おはよう」

 久保くんも朝の挨拶を。けれども、この一言だけで久保くんの日記は今日も家に帰ってからこじらせている。


『坂田さんは、恥ずかしい様子でもじもじとしたので、自分の方から元気に朝の挨拶をした』


 もちろん、これは久保くんの日記の内容がこじらせているのである。現実には、坂田さんから朝の挨拶で元気に朝の挨拶をしたのは坂田さんの方。


『どうしたんだい? 坂田さんと言う名の子猫ちゃん? そう自分は言った』


 久保くん、それは言ってません。

 今日も久保くんの日記は絶好調である。

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