第一話 見知った世界
遡るのは、ほんの一ヶ月前。皆、学校に行ったり働きに出たりして、日常生活を送っていた。そんな中私は自分の生み出したゴミに溺れながら、一人ネットの海を泳いでいた。
恥ずかしいが、あまり社会に出れている方ではない。日給が出るバイトを探し、どうにかその日暮らしの生活を続けている。
前に、友達から「仕送り貰えばいいのに」と言われた事があるが、残念ながらもう存命ではない。
ふと、ある記事が目に止まる。普段は気にしないような、何でもない外部リンクの記事だった。
(んー、まー、いっか。)
何の気無しにそのリンクをクリックする。すると、大きな文字ー見出しが画面に表示される。
『もうすぐで地球が終わる?!驚きの事実‼︎』
二流どころか三流の見出しと記事だ。読む価値さえない。私は記事を読み飛ばし、その記事のコメント欄だけ読む事にした。
『・ガセネタ乙。氷河期とかありえないから。w
・他の記事とは違って、なんかリアリティあるような…
・↑多分気のせいだぞ。
・こんな記事書いて楽しいんかね?』
まあ、三流記事に相応しい荒れ具合だった。…こういう、ネットでもあまり美しいと言われる部類ではない所を見るのが好きなのだ。悪趣味な自覚はある。そのコメント達は批判が七割、支持が三割ほどの、特筆して酷くもなく、かと言って私は支持する気にはなれなかった。
その記事への興味は薄れ、私はまたSNSや動画サイトに潜り始めた。と言っても、完全に興味がなくなった訳ではなく、そのサイト内で検索したりしたが、特段気になる情報はなかった。
それでもやっぱり少し怖くなって、その日は窓をしっかり閉めて寝た。これじゃしっかり影響されていると、少し苦笑いしながら。
今となれば、笑える話ではないが。
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