第31話 茨城の僕と西島君と恋の渦と.....?

音無とは付き合ってから.....半月ほどが経つ。

俺は笑みを浮かべながらゲームをする。

そして笑い合った。

そうしていると.....家に誰かやって来た様にインターフォンが鳴る。

俺達は?を浮かべてゲームを止めてから見ると。


「.....これは.....西島君じゃないか」


「え?それって綾香ちゃんの?」


「ああ。そうみたいだな」


俺は頷きながら玄関を開けると。

西島君が立っていた。

どうも、と言いながら律儀に頭を下げる。

ん?綾香はどうしたのだ?

と思いながら西島君に向いた。


「綾香はどうしたんだ?」


「.....今日はお兄さんに用事があって来ました。.....その」


「え?」


「僕は.....お兄さんに教わりたいんです。彼女との.....付き合い方を」


「.....は!?」


彼女との付き合い方.....って今度は俺が教えるのか!?

思いながら西島君を見る。

西島君はマジな顔で俺を見ていた。

しっかり教えて下さると思って、と勉強熱心な感じで、だ。


「僕.....まだ綾香さんの事をあまり理解していません。というか.....恋心に臆病で.....何か恋に手出しが出来ないんです」


「.....そうか」


「西島君」


いきなり椋が割って入って来る様にそう言った。

それから笑みを浮かべて西島君を見る。

俺は?を浮かべて椋を見る。

そして西島君に聞いた。


「お互いを知って.....通じ合う事が大切だと思う。.....私が教えてあげる」


「.....え?.....あ。彼女さんですか?」


「そうだな。まあこの子の方が熱心に知っているかも」


「あ.....じゃあお願いします!」


頭を思いっきり下げる西島君に俺は苦笑する。

椋は、勉強熱心だね、と俺を見てくる。

俺はその姿に、ああ。そうだな、と答えた。

だがこれが.....まさか恥ずかしい事になるなんて。

この時は全く思わなかったんだが.....。



西島君は信頼が出来る子供だと思う。

だけど.....いや。

子供じゃないか青年だな。

思いながら俺は西島君を見る。


西島君は笑みを浮かべながら俺の家の中に入って来た。

リビングに案内する。

そういえば椋とデート中なのだが。

どうする気なのだ?


考えながら椋を見る。

椋は赤くなりながら俺を見てくる。

え?この反応は.....?

思いながら俺は椋を見る。

椋は俺を見ながらニヤッとした。


「西島君だっけ。.....えっとね。先ずはこうするの」


言いながら俺の腕に腕を回す。

俺は赤面しながら、ちょっ!?、と言う。

西島君は赤くなりながらも、な。成程、と学んでいる.....いや!

学んじゃ駄目だろ!?、と思いながら椋を見る。

椋は赤くなって汗をかきながらニコッとする。


「えへへ。まだまだだよ。これぐらい今更って感じでしょ?」


それから西島君を見る椋。

手を握ったりもアリだけど恋人同士になったら喜ぶ事をしてあげたいよね。

と笑みを怪しげに浮かべる椋。


そして椋は何かを差し出す。

それは.....赤いノートだ。

(?)と記載のある。


手帳とも言える感じのノートである。

これは一体、と思っていると。

読んでいた西島君が赤面して目を回した。

それから鼻血を出す。


「椋!?何が書いてあるんだ!?」


「.....え?道筋かな」


「何のだ!?」


「それは君と私の」


「.....あのな.....刺激的なものはいけないだろ」


うーん。

ちょっとばかり刺激が強かったかな、と言いながら顎に手を添える椋。

そして、西島君.....大丈夫?、と聞く。


こんなにエッチな子になってしまうとは.....椋が。

恋人が暴走すると怖いな!?

は。はい、と答えた西島君はヨロヨロと鼻を抑えながら起き上がる。

ウブだな、といえる感じだが。

そんなジョークを交えている場合では無い。


「西島君。.....正直言ってこの娘に任せるのはマズかったね」


「いえ。勉強になりました」


「勉強になったら駄目だろ!?」


「いえ。大丈夫です。.....学んだ通りに実践します!」


「駄目だろ!」


俺は椋を見る。

椋は頷きながら俺を柔和に見てくる。

なんてこったい、と思いながは俺は額に手を添えた。

それから溜息を吐く。


「でも冗談は置いて。西島君。私から言えるのは.....彼女を一生愛してあげて」


「.....え?」


「.....私から言えるのは.....男として守ってあげる事。それが大切です」


「音無さん.....」


「だから綾香ちゃんを大切にしてあげてね」


言いながら椋は膝を曲げて西島君を見る。

俺はその姿を見ながら柔和になっていると。

またインターフォンが鳴った。

それから.....うわ!?なんじゃこりゃ!?

そこにかなりの不良らしき人物が3人程立っていた。


「.....まさか.....遠山の?」


「.....いや。違うだろ。.....そもそも家知らないだろアイツ」


「じゃあ.....一体.....?」


「.....」


俺は顎に手を添えながらドアを開ける。

すると雨が降っているにも関わらずびしょ濡れの3人の女子不良が頭をいきなり下げてくる。

兄さん!姉さんがお世話になっています!!!!!、と。

え.....、と眉を顰める俺。


色とりどりの奴らだ。

所謂モヒカンとかも居るし.....金髪も居る。

髪を染めている奴も、だ。

ジャンパーを着ている。

なんだコイツら.....、と思ってハッとした。


「.....君ら.....もしかして茨城の?」


「そうっす!ヘッドの僕!アタシは幸嶋麻里子って言います!」


「私は流星星子です!」


「佐藤青嵐と申します!」


モヒカンが麻里子。

そして金髪が星子、ジャンパーが青嵐か。

などと納得している場合か、何しに来たんだコイツらは.....。

思いながら怪しんでいると、あっしら.....ヘッドの恋を応援したく色々教えて欲しく馳せ参じました!、と言ってくる。

え.....。


「.....驚く事ばかりなんだが.....そうなのか?」


「その節は申し訳無い事をしたって言ってます!ヘッドが!その。恥を承知っすが.....あっしら.....情報を得てからお祝いしたいと思っているんです!」


「.....」


赤くなる3人.....成程な。

しかし状況が.....。

苦笑いしか出ない。

どいつもコイツも恋ばかりだなぁ、って思う。


だけどコイツら.....マジに応援したいんだろうな。

そんな感じに見えた。

俺は盛大に溜息を吐きながら見ていると。


「すいやせん!濡れちまったっすけど.....これツマラナイモノっすが!」


グショグショの紙包を出す3人。

俺は顔を引き攣らせて受け取った。

うーん.....。

何故傘を差さなかったのだろうか。

苦笑せざるを得ない。


「.....どうも.....」


「そいでこの代わりですが.....その。.....ヘッドが戀(こい)している田中さんの事を教えて欲しいっす!」


「.....」


これはマジ卍。

古いけど.....。

ややこしい事になった.....。

思いながら背後を見ると。


クスクスと笑っている椋が居た。

楽しそうに笑みを浮かべて立っている。

やれやれだな、と思う。

楽しそうで何よりだが、だ。


「.....ここじゃなんだ。.....取り敢えず家に入るか?君ら」


「それはマジ有難いですが家が濡れちまいます!ので.....この場でお話を聞かせて頂きたいっす!」


「.....そもそも君らはどうやって住所を知ったのやら.....」


「聞いたっす!住所は!風の噂っす!」


「.....」


セキュリティがかなりボロいんだが.....。

ネットワーク保護みたいな事をした方が良いのか.....?

思ったがそのあまりに真剣な顔に.....俺も真剣にならなざるを得ない。


それから俺は溜息を吐いて、田中はな、と言い出す。

しかしコイツら誘拐とかしないよな?

田中を、であるが。

西島君を待たせる訳にはいかない。

早くしないとな。

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