第14話 お家デートと愛してるよゲームと.....?

椋に家に来てもらったというよりかは。

家の中でデートしていると思っているのだが。

思いながら.....俺はそのまま椋を家の中に案内してから俺の部屋に呼ぶ。

すると椋は赤くなりながら頷いてくれて入って来てくれた。

俺はその姿を見ながら俺も赤くなってしまう。


誰も居ない家の中で.....俺と椋は座布団に座って見合ってみる。

それからまた赤面してから顔を逸らした。

俺はその中で話題を振ってみる。

椋、と言いながら、だ。


「どうしたの?雪歩君」


「今日の委員会はどうだったの?」


「.....そうだね。やっぱりつまらないよ。雪歩君が居ないから」


「.....そ、そうなんだね.....」


「うん。だって.....雪歩君が楽しませてくれるから」


そして話は途切れる。

俺は、ど。どうしたものか、と思いながら困惑する。

すると、雪歩君、と声がした。

その言葉に顔を上げると.....そこには周りを見ながら笑みを浮かべている椋が居る。


「聞いたよ。.....私の昔話を話したんだって?楓が」


「.....!.....そうだよ。うん.....聞いても良かったのか分からないけど」


「良いの。.....私は貴方にいつか言おうとしたから。.....まあでも突然だったからちょっとだけビックリなんだけどね」


「アハハ。やっぱり口が滑っちゃったんだね」


「うん。でも怒ったりはしないよ。だって.....いつか私は君に話そうとしたからね。有難かったかも。先に言ってくれた事が逆に功を成したっていうか」


「.....そうなんだ.....なら良いけどね」


俺は頷きながら椋を見る。

椋は俺に笑顔を浮かべながら.....それから。

周りを見渡してまた赤面する。

そして潤んだ目で俺を見てくる。


「.....もし良かったら.....君に寄り添って良い?」


「それはどういう意味?」


「.....き、君の側で君に寄り添いたい」


「!.....え.....いや.....え!?」


「だって恋人同士なんだから」


強く言いつつ赤くなりながら。

立ち上がって俺の側にゆっくりやって来る。

それから俺に寄り添って来る。

擦り寄って来る猫の様に、である。

俺は赤くなりながらその擦り寄って来る椋を見る。


「.....え、えへへ。恥ずかしいね。これって」


「.....そ、そうだね.....うん。とても恥ずかしいかも.....」


「でも私はとても幸せだよ。君にこうやって寄り添えるの」


「そうなんだね。.....俺みたいなのに寄り添って幸せなの?」


「私の初恋が君だったら良かったのにって思うぐらいに幸せだね」


言いながら俺の手に手を乗せてくる椋。

それから俺達は見つめ合う。

これ以上はマズいな、と思いながら目を逸らそうとしたのだがその前に椋が目を逸らした。

は。恥ずかしいかも、と言いながら、だ。

良い感じだったけど椋もそれなりに恥ずかしかった様だ。


「.....やっぱり駄目。お互いが好き同士になったら.....これしたい」


「そうだね。確かにね。.....お互いが好き同士になったらするべきかもね」


「.....私はファーストだよ」


「それは俺もだよ。.....ファーストだよ?」


お互いに見合わせてクスクス笑った。

それから、じゃあお互いに純潔なんだ、と笑顔を浮かべる。

そして笑い合った。

その際に椋が俺に向いてくる。

ねえ。雪歩君、と言いながら、だ。


「.....そのキスは私の為にとっておいてね」


「え?」


「.....私は必ず君を振り向かせるよ。だからとっておいてね」


「うん。分かった。.....君がそう言うなら頑張る」


「有難う」


言いながら俺達は笑み合った。

すると、そういえば.....このお部屋には本が沢山だね、と向いてくる。

ああゴメンね、と俺は告げた。

これは本だけどライトノベルだよ、と言いながら、だ。

それから俺は本を手に取る。


「でも.....これは椋にもオススメだよ。面白いから」


「そうなんだ。じゃあ読もうかな」


「うん。君は本を読むからね。エ、エッチな内容じゃ無いから」


「.....う、うん。.....それだったら逆に私にしてほし.....あ!な、何でもない」


椋が赤くなる。

しかしその。

今とんでもない事を口走らなかったか?


思いながら俺は赤面する。

それから、あの。椋さん?、と聞く。

椋は、何でもないから!、と言いながら強く否定した。

それ以上は嫌いになるから、と俺に、ガルル、と言いながら。

俺はその様子に青ざめながら、う。うん、と頷く。


「全く」


「でも切り出したのは椋だけどね.....」


「.....そ、そうだけど.....」


「アハハ」


俺は頬を赤く思いっきり膨らませる椋を見つめる。

まるでお餅の様に、だ。

そんな椋の顔を見ながら、でもせっかく来たんだから何かしたくはない?、と俺は椋を見る。

すると椋は、うん。それは思ってた、と笑顔を浮かべた。


「.....何する?」


「私は愛してるよゲームがしたい」


「そ、それって.....愛してるを言うんだっけ?」


「うん。言わせるゲーム」


「当然、俺もだよね?」


「うん。当たり前だよ?」


だって私を好きになってもらう為にする様にしたゲームだから。

と笑顔を浮かべて俺を見てくる椋。

でもちょっと待って。

これって恋人同士でやるものじゃないのか?

思いながら俺は耳まで熱くなる。


「.....だって知ってほしい。私の熱意を」


「も、もう十分知っているけど.....」


「ダメダメ。これだけじゃ足りないから」


「.....そ。そうなんだ」


それからこれにはルールをつけるよ。

と笑顔を浮かべる椋。

何を言っているのだ.....!?、と思ったのだが。

椋は満面の笑顔を浮かべる。

そしてニヤニヤした。


「.....好きなモノを言ってから.....愛してるだよ.....?」


「!?」


「ふふふ。私だってかなり恥ずかしんだから。逃げられないからね。雪歩君」


「う、うん.....」


ニコニコしながら俺の手を握る椋。

それから俺に寄り添って来る。

その姿は.....本当に恋人同士の様で。

俺は赤くならざるを得なかった。

そして.....特別偏愛しているよゲームが始まる.....。

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