大切なもの

第6話 綾香の女子の特別授業と?(超改訂)

「綾香。お前どうしたんだ?またお菓子か?」


「そうだけど。悪い?お菓子が好きだから」


「まあうん.....でもうちにお菓子があるからって何時も来るのは.....」


「.....た、確かに悪い事だと思っているけど.....でも私はお菓子が好きだから。お兄のお家にはお菓子が沢山あるから.....」


そ。それにこんな自称だけど美少女が来てくれるんだから有難いって思わないと、と胸を張って言う綾香。

俺はその姿に額に手を添える。

それから、まあそうだけど、と言いながら苦笑しつつ綾香を見てみる。


綾香の姿は簡単に言うと褐色の肌をしている。

それからツインテールが出来る様な髪型をしており。

黒の髪の毛を伸ばしている姿だ。

今はツインテールをしている。

顔は童顔ながらも美少女だ。

そんな感じの姿である。


綾香はお菓子をムシャムシャ食べながら俺を見てくる。

その中で、そういえば.....、と思いながら綾香に質問してみる。


「綾香。その。相談があるんだけど.....」


「え?何の相談?お菓子をくれたら何でもするよ」


「そうか。.....綾香は単純だな.....」


「いやいや!わ、私はそんなに単純な訳じゃないけど!」


綾香は言いながら真っ赤になりつつ慌てる。

いやでも.....単純だよな、と思いながら俺は再び苦笑する。

その中で綾香は、それはともかく!、と話題を強制的に変えた。


そして俺に向いてくる。

私の様な綾香様に何の御用なのかな?、と言いながらまた胸を張る綾香。

俺はその姿を見ながら溜息を吐いて真剣な顔をする。

それから綾香をジッと見た。


「女性と上手く付き合いたいんだ。.....どうしたら良いと思う?」


「.....え?.....それってもしかして彼女でも出来たのお兄」


「うん.....あ、いや。そうじゃないんだ。だけど説明がちょっとややこしいんだ。.....だからまあ.....好きな人と身近で交わる感覚で常識などを学びたいんだ」


「え?え.....それじゃ何かよく分からないけど.....え?」


「無理かな?難しいのは承知の上だけど.....」


「うーん。まあ.....でもそれがお兄らしいね。なら分かった。リア充の中の上のリア充のこの私。綾香様が女の子の心理について教えてあげる。.....とは言っても子供視点だけど.....それだけは勘弁して。そこら辺はお勉強中だから」

 

でもそれでも助かるよ。

と言いながら俺はスニ◯カーズ的な新たなお菓子を取り出してみる。

それを見て大喜びで尻尾を振っている様な犬の感じの綾香に与えてみる。


しかしまぁ.....何というか小動物に餌を与えている気分だな。

思いながら俺は苦笑いを浮かべた。

そして綾香を見つめる。



「うん。先ずはねお兄。自分自身が女子の気持ちになる事が大切だよ。その気持ちってのは気持ちも感情もとにかく全部ね」


「そうなのか」


「当たり前だよ。これって凄く大切だよ。だって一生の伴侶になって以心伝心になるかもしれないんだから。.....だからすっごく大切だよ」


「成程ね」


俺は顎に手を添えながらボールペンでメモを取る。

目の前の綾香は何処から持って来たのか白衣を着てそして伊達眼鏡をそのまま掛けている。

髪の毛をツインテからポニテにして、だ。

そして綾香はノートに大きく黒で文字を書いてバンバン叩きながら示している。


それから俺を真剣な眼差しで見てきている。

俺はその何だか真面目系の姿に少しだけ笑いながらも真剣に授業を受けていた。

女の子に関しての授業を、だ。


「えっと。それから.....送られて来たメッセージとかの返事はなるだけ直ぐに。そしてキチンとする事。そして手料理を食べた時は不味くなければ二択で美味しいと言う事。それから目的の女の子と一緒の時は他の女の子に絶対に目移りしない。それも大切だと思う。絶対にね。基本中の基本」


「.....お、おお。凄いね.....綾香.....」


「そう。うん。何よりも愛だからね。.....当たり前の話だよ」


「そ、そうなんだね.....」


それから綾香はバンバンとまたノートを叩く。

白黒板が無いから、だ。

俺はその姿に圧巻されながらも.....とにかく必死にメモを取る。


そうだな。

女の子に目移りとかしないのは当たり前だな。

でもすっかり忘れていた。

昔と.....違うしな。


気付かされる点が多い。

その中で、でも、と言いながら綾香はノートをバンバン叩くのを止めた。

それから俺をジッと見てくる。

そして真剣な顔×100ぐらいの顔をした。


「参考にすべき点は数多くあるけど。でも.....これだけはしっかり伝えたいかも。.....女の子は砂糖菓子の様に崩れやすいからね。本当に大切にしてあげて。.....それから絆を大切に、だよ」


「そうだな。絆は大切だよな。確かに。.....でもそうやって強く言われると.....また自覚するよ。.....砂糖菓子っていうのは気付かされた.....かもしれない。昔の事があるから。あの時から引き離さないといけない」


「その女とは別だよ。.....また別に捉えなくちゃ。.....だけどまあお兄はきっと大丈夫だと思う。それに先ず失敗も成功の元だから。女の子と一緒の時に落ち込まない事が大切だから」


「有難う。綾香。.....そうだね。.....きっとそうだと思う。大切な事に気付かされた」


「うんうん。お兄ならきっと大丈夫だよ♪.....でもまあ学んでね」


まあでも私のお兄だから。きっと大丈夫だよ、と言いながら、ふふーん、と胸を張る綾香さん。

俺はその姿に、やれやれ、な感じで苦笑いを浮かべながら、よっこいしょ、という感じで立ち上がる。

それから、何か飲む?綾香、と綾香に聞く。

すると綾香は、じゃあオレンジジュース!、と満面の笑顔を浮かべた。


「はいはい。.....しかし綾香。先生みたいだったのにまた子供に戻っているよ?」


「私は子供だからね。先生じゃないんだよ?アハハ」


「いや。全くどっちなんだか」


「そうだね。.....うーん。.....まあどっちでも無いかな♪」


「いやいや.....やれやれ.....」


満面の笑顔でニコニコしている綾香に俺は苦笑いを浮かべながら。

幸せそうに曖昧に否定する綾香を見る。

全くこの子は.....。

でも本当に助けになっているから何とも言えないけどな。


そう。

これは昔からずっと、だ。

中学時代も小学校も全部.....。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る