第3話 恋人同士だから(超改訂)

クレープ屋に到着してそのままクレープを購入して店員のお姉さんから受け取った.....のだが。

そんなクレープ屋では何と恋人割を受けた。

何というか俺達は成り行きで出来上がってしまった偽物の恋人なんだけど.....、と思ってしまう。

だけど精算してしまったので何とも言えない状態になってしまった。


それにその横に居る.....音無は本当に嬉しそうだから.....。

何だかメニューに使える、とか呟いているけど。

しかしそれは良いが何故こんなにも.....、と思ってしまう。

俺は考えながらベンチに座っていて横に居る音無を見てみる。

音無はこう言ってきた。


「クレープおいしいね」


「.....そうだな。.....でも君がこんな物に興味が有るとは思わなかったよ。.....以外だね。音無の好きってのがよく分からなくなった」


「そうかなぁ。ゴメンね。私は.....この場所に君と一緒に来たいって思った。君と恋人になって一緒にって」


「.....そ、そうなんだな.....有難う.....え?でもそれって昔から好きって事か?」


これにもハッとした音無は直ぐに話を変えた。

誤魔化す様に、だ。

生クリームのクレープ美味しいね、と言いながら。


俺もクレープを食べるが.....何だか.....うーん?

そんな音無は笑顔を浮かべながらだったがいきなりスマホを取り出した。

その音無に、?、を浮かべていると。


スマホと一緒にこっちに音無が寄って来た。

それから俺の腕に自らの腕を絡ませる。

俺はビックリしながら見ているとカシャッと音が鳴ってから写真が撮られる。

かなりビックリした。


俺は赤面しながら音無に聞く。

何かをさっさと動かしながら音無は、これどう、と赤くなりながら聞いてくる。

その姿に俺は、良いけど.....、とだけ答える。

それからまた赤くなる俺達。

何をするのだ。


「これって恋人らしいかな。恋は2回目だけど.....2回目は.....ま、まあその。分からないから。.....あ。メールアドレスとか教えてもらったかな」


「.....い、いや。多分まだ.....」


「じゃあ交換してほしいかも。ね?田中君」


「そ、そうだな。それじゃあ.....交換するか」


それから俺達はメールアドレスなどを色々と交換した。

そして俺は椋と書かれているメッセージアプリのアイコンを見てみる。

何かウサギのキャラクター物のアイコンだった。


俺はその事に驚く。

驚く事ばかりだな、と思うぐらいに。

音無にこんな趣味が有るとは。


それに何というか.....人生で初めての女子とのメルアドや電話番号の交換。

するといきなりスタンプが音無から1個だけ送られてくる。

ウサギの様なスタンプ。

音無を見ると赤面していた。

そして笑みを浮かべる。


「ど、どうかな。私のお気に入りキャラクターなの」


「そ、そうなんだ.....可愛いと思う。.....とても可愛い」


「そ、そう?.....有難う」


真っ赤になりながら俺達は俯いてしまう。

すると音無がまたも話題を変える。

そのまま、チョコクレープ美味しい?、と聞いてくる。

俺はその言葉に、まあ美味しいかな、と答える。


すると音無は俺の持っていたクレープに噛み付いた。

それからモグモグしながら、確かに美味しい、と笑顔。

お。おう.....いやちょっと待て間接キスじゃないか!

俺は心臓がバクバクしながら.....真っ赤のまま音無を見る。

何でこんなに心臓が?、と思うぐらに。


「こ、これ.....間接キスだね.....」


「そ。そうだけど。そんなはっきり言ってもらうと恥ずかしいかも」


「ご、御免なさい」


「う.....うん」


そんな感じでウブな感じでやり取りしていると。

今度は音無が自身が持っていたクレープをゆっくり渡してくる。

それから俺を差し出しながら見てくる。


じゃあ半分こ、と言いながら、だ。

食べて、と言わんばかりに押し付けようとする。

オイオイ。


「ちょ、ちょっと.....音無.....流石に何度もは気まずいし恥ずいかも」


「私ばかりは悪いよ。.....それに他の人に見せつけようよ。.....こういうのも良いって」


「.....!」


「.....ほ、ほら。美味しいよ?.....イチゴ味だけどね」


「わ、分かった」


恋人居る癖に周りが、良いねぇ、的な感じで見てくる。

いやいや。お前らも大概だからな、と思いながら。

考える。

これが本気で嘘とは言い辛いな、と思いつつ。

困ってしまって.....胸が苦しい。


早くなんとかしないといけない、とは思うのだが。

音無が嬉しそうで.....そして。

俺も楽しい感じで何も言えない。


少しだけ齧ってから音無を見る。

そんな音無は柔和そうな感じで俺を見てくる。

満面の笑顔で、だ。


「美味しいかな?」


「うん。そうだね.....キスの味がした」


「ふえ」


「.....あ」


ボウッと火が点く様な感じで黙る椋。

つい咄嗟にそんな言葉が出てしまった。

俺は頬をガリガリ掻く。

何言ってんの俺。


ほれ見ろ音無が俯いてしまった。

赤くなって湯気を発しながら、だ。

俺は、しまった、と.....心で思いながら謝った。

多分俺は混乱している。


「音無。本気でごめん.....」


「ううん。.....でも今の言葉、とっても嬉しかったよ」


「?!」


「キスの味だよね?私の味だよ。アハハ」


「!」


いかんぞこれ.....何でこんなに.....。

本気でどうしたら良いのか分からなくなってくる。

何故か大切にしたいという感情も湧く。

だけど.....偽りなんだよなこれは。


多分全ては嘘だと思う。

罰ゲームで.....告白したんだから。

絶対に言わないといけない。

これはあくまで本気の恋では無いという事を。

俺は手汗をかきながら.....音無に向く。


「な、なあ。.....音無.....その」


「何?田中くん」


「えっと俺の事は大切?」


何を聞いているんだ俺は?

馬鹿野郎!!!!!、と思ってしまった。

こんな所まで言い出してその言葉なのか!?

馬鹿野郎じゃ無いか本気で!


だが。

音無はその言葉に直ぐに答える。

柔和になりながら、だ。

表情も全てが。


「とっても好きだよ。だって田中くんは今も優しいし」


「!」


マズイ.....。

好きとまで言われてしまった。

何処まで俺は、と罪悪感を感じながら.....俺はクレープを平らげる。


それからそのまま拳を握って立ち上がった。

そして音無を見る。

この時間は長引かせた方が良い気がする。

言わなきゃ。

絶対に、であるが。


「音無。.....次、何処か行く?まだ付き合うよ」


「彼氏としては100点満点だね。田中くん。じゃあ.....ゲーセン行かない?」


「.....え?意外だね。.....そこでどうするの?」


「ぷ、プリクラ.....撮りたい。.....2人で。これも夢だったの」


「.....そ、そう.....」


俺は真っ赤に赤面しながら.....音無を見る。

崩されてしまう。

俺の全てが、であるが。


音無は、私.....夢だったから。.....好きな人と一緒にプリクラ撮るの、とニコニコして言ってくる。

俺はその嬉しそうな姿にまた何も.....言えなくなる。


言わなくてはならないのに。

どうしたら良いのか。

マズイよな絶対に.....本当に。


「それでそのプリクラ.....今日の証として大切にしようよ。2人の」


「.....分かった。そうだな」


クレープの紙を畳みながら。

スカートを翻しながら俺を口角を上げて見てくる音無。

俺はその姿に胸をドキドキさせながら頭を整理しつつ.....そして別の意味でドキドキさせながらそのまま雨上がりな感じの道を歩き出す。


止んだ中の2人で、だ。

寄り添いながら、である。

虹まで掛かっている中、だ。

どうするべきか考えていた.....。

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