人を殺したことがなくても殺人のトリックや殺人者の心理を描くことはできます。性描写にしても経験していないからこそ想像力を膨らませて描くことができるという面もあるでしょう。飲んだり食べたりすることは誰でも簡単に経験できることもあって、つい自分の経験をそのまま文にすることが多いと思います。まさしくこの通りと再現度の高さに驚くのも一興、こういう視点はなかったと唸るのも一興です。そして作者さんも20歳になってお酒を飲むようになったら今度は読者目線で見てみてくださいね。
酒の描写がおすすめです。あとは肴があれば晩酌もいらないかも
未成年の作者が酒を飲まずに酒の描写を書く。この試みが面白い。細やかな描写が正鵠を射る、僅かな描写が事実との齟齬を招く。それもまた楽しい読書体験である。そこのあなた、人を殺したこともないのに人を殺す小説を書いてはいませんか。死んだこともないのに、さも死んだことがあるみたいに主人公を殺していないですか。異世界に行ったこともないのに、のんびりと異世界のスローライフを楽しんではいませんか。未知を描くこの作品はあなたが未知を描くうえで、必ず力になることでしょう。