第5話 マンハッタン

バーカウンターに、カクテルピンに刺さったレッドチェリーが入った、夕暮れ色のマンハッタンが置かれた。


それの注がれたカクテルグラスを手に取ると、口元に近づけ、グラスを軽く傾ける。


スイートベルモットの、ハーブやスパイスがよく効いた爽やかな甘みの中に、ほろ苦さと明るい柑橘系の香りが感じられる。


カクテルの女王の名を冠する、甘みのある飲みやすいカクテルだ。


私は一気に飲むと、カクテルピンに刺さったレッドチェリーを口にくわえた。これもなかなか甘く、美味しい。


店を出た。ドアを開けると、カランと心地よい音が響いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る