第3話 マティーニ 

ここはとある場所の地下一階にあるバー

木製の渋いカウンターにマティーニが置かれた。

少し口に含む。マティーニは強いお酒なので、一気飲みすると酔ってしまう。ゆっくりと、しかし作ってから十五分以内に飲むのが大切だ。

良く冷えた冷たさの中に、ハーブの癖のある香りが広がる。しかし、やや強く、舌に残るハーブなのに、ドライ・ジンの辛口が後味を残さない、キリッとした風味にしている。

そこにかすかな苦みが加わることによって、味わい深い大人の味を作り出す。

俺はお酒に漬かって脂っぽいオリーブを食べた。この香りと旨みが、酒のつまみにちょうど良い。

食べながら、もう一口飲んだ。

最後まで飲み切ると、店を出た。


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