家に帰ったら
お疲れ様会も無事に終わって家に帰りソファに倒れ込む。そのまま沈みこんで息を吐く。
「……つっかれたぁ」
「お疲れ様、何か飲む?」
「……お茶……いや、水」
「はーい」
食べるのはよかったけどその後がほんとに疲れた。夏葉は大輝が無理やり連れて帰ったけど春香先輩が酔っ払ったのが本当に大変だった。本当に。
あの人酔っ払ったら物凄い甘えてくるから心臓に悪かった。甘えた態度とかそういうのが全部俺に向けられて引き剥がそうとすると、上目遣いと涙目で「だめ……?」とか言ってくるのが本当にキツかった。
「はい、お水」
「ありがと……」
「今日はお疲れ様」
「……おう」
「最後は大変だったね〜」
「そうだな、綾香はああならないでくれよ」
「お酒飲んだことないからわかんないよ」
「それもそっか」
勝手な想像だけど綾香はそこそこお酒強い気がする。あと2年もすれば飲めるしその時にわかればいいけど……それこそウィスキーボンボンでも食べさせてみるか?
「風呂はどうする?」
「お湯は今入れてるけど……冬夜くん先に入る?」
「俺は……風呂で寝そうだし明日入るよ」
「そう?じゃあ先入るね」
「あいよー」
お酒も結構飲んだからか眠気が限界近い。
というか既に半分ぐらい寝ている。綾香がお風呂はいって来るねーと呟いたのが聞こえたが気がするようなしないような気がして俺の意識は暗闇に沈みこんでいった。
ーー綾香ーー
湯船に使って鼻歌を歌いながら今日のことを思い出す。普段話さないような年の差の人と沢山話したし、夏葉さんには男の人の悦ばせかたを少し教えてもらった。
それが使えるかどうかは別だけどね。夜のテクニックなんて今の私には使えないからね。
あんまり考え事してるとのぼせそうなのでお風呂もそこそこにしてリビングに戻る。
「冬夜くん?起きてる?」
ソファに沈みこんで冬夜くんが寝息をたてている。
「着替えないと服にシワ付いちゃうよ?」
軽く揺すってみるけど起きる気配がない。最後に色々あったしお酒もそこそこ飲んでたし完全に熟睡してるんだろうか。
「……もしやこれはチャンスでは?」
冬夜くんは寝てるから抵抗もしない、私の好きにできる。つまりやりたい放題だ。ならさっき夏葉さんに教わったことを使う機会なのでは?
「とりあえず……いただきまーす」
こんなチャンス滅多にないからまずはキスをする。無理やりこじ開けるように舌を入れる。
「んん……ちゅっ、んんっ……」
わざと音を立てるように激しいキスをする。いつもより大きなキスの音が部屋に響く。
「ぷはっ……ふふ、楽しいね?」
再び唇を重ねてさっきと同じように音をたててキスをする。
キスをしながら冬夜くんの服のボタンに手をかけて1つずつ外していく。
「……これからがお楽しみだよ?」
私は妖しく微笑みながら冬夜の身体に口付けをした。
ーー冬夜ーー
身体にかかる重さに違和感を感じて目を覚ます。部屋は真っ暗なままだからまだ夜中なのだろう。
「何が……」
乗ってるなにかを触ろうとして更なる違和感に気づく。
「服どこいった」
なぜか上半身裸だしちょっとベタベタしている。ここでようやく身体が起きてきたのか感覚がハッキリしてくる。ついでに目も慣れてくる。
それでわかったのは身体の上に乗ってるのは暖かい何かで、すごい柔らかい感触が伝わってきている。
ここまでくれば答えも自ずとわかってくる。
「……綾香?」
「……んむぅ?」
「何してるんだ」
「……とうくんのことたべてた」
「それは比喩表現だよな?」
「おいしかったよ?」
「なにが」
「なんだろーね?」
表情や身体がハッキリ見えないのが幸いだろう。今綾香の表情や身体が見えたら多分抑えられないし。
伝わってくる感触から綾香もはだけるぐらいには脱いでいる。
「ちょっと風呂入ってくる」
「……じゃあわたしもはいる」
「はぁ!?」
「ぴゃっ!?」
「あ……すまん」
思わず声を荒らげてしまって綾香が可愛い悲鳴を上げる。
「流石に1人で入るから」
「そうなの?」
「ああ」
「じゃあいってらっしゃい」
「おう」
どうにか綾香をどかして風呂場に向かう。
半分服を脱がされてるのでパパっと服を脱いでシャワーを浴びる。
「はぁ……」
寝てる間に何されたかはわからないが多分おいしく頂かれたのだろう。
「ちょっと……やばい……」
起きてすぐにあった感触もそうだけど綾香の声の感じとかそういうの全てが理性を削ってくる。
春香先輩を介抱してた時はちょっとやばいぐらいだったけど、綾香にされると理性がゴリゴリ削れる。
何度かこういうシチュエーションはあった。けど今日はちょっと酒も入ってたのもあってキツい。
「酒は控えるか……」
酒は控えないと今後こういうことがあったら大変だし飲むにしてもほどほどじゃないとやばそうだ。
「でも綾香を酔わせてみたいよな……」
お酒入りお菓子とかでちょっと試してみたいよな、
けど酔ったら酔ったで怖いよな。何されるかわかんないし。
「ちょっとキツくいいつけなきゃかな……?」
シャワーを浴びながら色々と考える。湯船に浸かったらのぼせそうなぐらい綾香のことで頭が埋めつくされて結局ショートしてしまうぐらいで、お酒は控えようと考えさせられた。
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