ハーゲンダッツとピヨヨ隊
※写真は近況ノートに掲載しています。
今日のフライト。いつも乗ってもらっているからと、13時の便を10時にサービスで変更してもらい、沖縄に8時間滞在となった。ラウンジに8時間滞在するのは申し訳ないので外に出なければならない。どこに行こう。
ペンギン部隊は全隊員、子供達の元に出撃して行き、各家庭に居候している。2度と帰って来ない片道切符だが、幸せに暮らしているだろう。
そして、今回から新部隊ピヨヨ隊が私に同行する事になった。これから宜しくお願いします。
何故鳥ばかりなのかと言うと、私は野鳥の会に所属する程の鳥好きなのです。鳥を飼っていた話は、別で書けたら良いなと思っています。
先ずはピヨヨ隊員に、ラウンジでハーゲンダッツの洗礼を受けさせよう。バニラと抹茶が置いてあるんだ。
アイスBOXの中を見ると、抹茶味が一個だけ入っていた。良かった。手に取りパタンと蓋を閉めると、視線を感じる。側に立っていた男性が、マスク越しでもわかる絶望した表情で私を見ていたからだ。
ハーゲンダッツの入ったBOX側のプレートには『数量限定』と書いてある。無くなれば終わりだ。勿論、私に譲る気は無い。この為にラウンジに来ているようなものだから。
男性に軽く会釈をして私が去ると、男性は近くのスタッフさんに悲壮感ある声で詰め寄る。
「ハーゲンダッツが!ハーゲンダッツはこれで終わりなんですか?ハーゲンダッツが食べたいんです!ハーゲンダッツ無いんですか?」
若干大声でハーゲンダッツ愛を語る男性。すると、スタッフさんは優しく宥めた。
「お客様、大丈夫ですよ。直ぐに持って参りますので。安心して下さい。大丈夫ですよ」
まるで強風で飛行機が落ちるんじゃないかと恐怖する乗客を宥めるかのように、努めて優しく対応するスタッフさん。プロだ。カッコイイ。
そうこうする内に、裏からトレイに40個程山盛りにされたハーゲンダッツが運ばれてきた。スタッフさんが男性にバニラと抹茶を渡し、男性は満面の笑みを浮かべ、何度も感謝を述べて席に戻って行った。
周りの視線を気にもとめず、ハーゲンダッツ愛を全身で表したあの男性に、私は敬意を表します。
スープバーで枝豆スープを入れて、席につく。ハーゲンダッツと枝豆スープの組み合わせは最高。甘いとしょっぱい無限ループ。
カルボナーラおにぎりも、とても美味しかったです。来週またあったら良いな。
ピヨヨ隊員と共にラウンジを堪能し、そろそろ優先搭乗の時間だからと席を立てば、例のハーゲンダッツの男性は笑顔で3個目を手にしていた。愛が深い。
今回の便も国際線機材。折角なのでピヨヨ隊員の写真を撮ろうと構図を選んでいると…。
「きゃー!可愛い!」
しまった。乗務員さんに見られた。恥ずかしい。だが、ここは笑顔だ。
「趣味で小説書いていまして。掲載する写真を撮っているんです」
「そうですか。では、一緒にお撮りしますよ!」
優しい笑顔の乗務員さんに、私は何だか泣きたくなった。違うんです。そういう趣味だけど、そういう趣味ではないんです。というか、私なんかが映っても、誰も得をしない。
お心遣いを感謝して丁重に断ると、お仕事中にお声がけしてすみませんでしたと笑う乗務員さん。こんな変人に何て優しいのだろう。泣ける。
一頻りピヨヨ隊にビジネスクラスシートを探検させたので、ゆっくりと小説を書いていよう。沖縄に着いてもやる事は特にないから、近くのイオンに行って沖縄の食べ物でも買いに行くかな。
那覇空港から小禄のイオンまでモノレールで2駅。5分程。双方駅直結なので傘無しでも大丈夫です。
買い物をして、空港に戻ってラウンジに居座り帰る。修行中の身だが、観光してきた気分になれた。
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