sexual lover

 告白された翌日の夜、私とヤマトは二人きりで彼の部屋に居た。デートとか言われてる行為をした帰り。

 男の部屋というので想像していたのよりは全然綺麗。でも、やっぱりゴミが溜まっていたり――ベッドの下から性的な玩具が覗いていたり――を見ると、男の子の部屋に来てしまったんだ、ということを実感せざるを得ない。

 正直、私は断るつもりだった。この関係は終わるべきだと思っていた。なんとか綺麗に終わらせる方法を探るつもりだった。

「あのさ、」

「ミヤ、俺さ、」

 口を開いたのは同時だった。

「俺さ、」

 私がびっくりして言葉を止めてる間にヤマトが勝手に続ける。

「ずっとミヤのことが好きで、今こうして居られてめっちゃ嬉しい。」

「……ありがと。」

 徐にベッドに押し倒されたときに最初の恐怖を感じた。ヤマトの息は荒くて、視界の端に映った彼の股間は結構盛り上がっていた。

 彼の顔が近づいてきて、気づいたときには私のファースト・キスは失われていた。

「やだ、ダメ、私たち昨日付き合い始めたばっかじゃん!」

 ヤマトは無言で、私の制服を脱がそうと必死だった。

「あの……その、私、今日シたら危ないかもしれなくて……」

「嘘吐くなよ」

 聞いたことがないくらい低い声。

「俺知ってんだ。今日安全日だって。てか用意してっから。コンドームくらい。」

 恐怖が最高潮に達して、もう一言も喋れなかった。


 行為が終わったまま仰向けで気持ちよさそうに寝ている彼の横で、私は静かに泣いた。初めてだった。

 なんでこんなところまで来ちゃったんだろう。本当はあの頃、アイツと狭い「秘密基地」で遊んでた頃のままで十分だったんだ。

 疲れ果ててぼんやりする頭で考えた。全部終わらせる方法を。

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