the day, impacted day
人間の科学技術を甘く見ていた。隕石と宮川宮が繋がるような証拠は処理しておいたつもりだったのに。
そんなに広くない部屋。一つしかない扉には鍵がかかっていて、窓もない。
こんな閉塞感はあの頃を思い出す。まだ地球に落ちる前、宇宙を漂う岩塊の中の頃。
といっても、その頃の記憶を覚えているわけではない。なんとなく、体に……宮川宮のこの体ではなく、寄生生物本体の方に、なんとなく感覚として残っている。視角はもちろん、その他の感覚器官も私の本体は持ち合わせていなかったから、極めて抽象的な感覚としてしか覚えていない。
正直、私の本体の具体的な大きさとか形とかもあまり理解してない。ホモ・サピエンスに寄生して知能を得るまでは本能以上の知性も感性も持っていなかったから。
だから、この星にやってきた日の記憶は寄生主としての私自身のものではなく、その様子を見ていた宮川宮の記憶としてだけ存在する。
これは、始まりの記憶。宮川宮の”あの日”の記憶。
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