第1話
「夜の爆発すごかったね〜。」
「あの音で起きちゃって寝不足だわー。3限の高木の授業寝ちゃうかも。」
「いつも寝てるじゃん。」
――爆笑。
カースト上位に分類される彼女らの今朝の会話である。
スクールカースト。学校という狭い空間で発生する、生徒同士の序列的な関係。その上位に入り込むことで人気者になれる。
カーストと言っても、うちの学校のはそんなに激しいものではない。コミュニケーション能力の高い人間がいつも固まっているだけで、それ以外に対する虐めとかは特にない。ちなみに、私はそれ以外に分類される。
今朝の彼女たちはいつもよりまとまりがない感じがする。なんというか、いつもなら真ん中の周りで会話しているところが今日は中心と言える中心が居ない。
まあ、その理由は単純で。
「ミヤは休み?」
「なんか体調悪いんだって。」
そういうことだ。
そんな彼女と私でも、一応は接点というものがある。幼馴染、というやつだ。5歳……いや、4歳くらいまでなら一緒に遊んでいた気がする。家が近かったから、近所の公園で鉢合わせることが多かったのだ。
でも、小学校に入るころには明確に距離ができていた。なぜか?そんなの私の与り知るところではない。人間関係なんて、知らないうちに仲良くなったり気づいたら手が届かないくらい離れていたり、そんなものだろう。
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