imitative parasitism

あさねこ

寄生

 ガラス越しの実験室の中で1人の男が拘束されていた。時折り思い出したかのように激しく暴れるが、その拘束具から抜け出すことは叶わない。それを悟ったのか、しばらくすると静かになる。

「だいぶ大人しくなってきました。睡眠薬が効いてきたんですかね。流石に漫画みたいな身体能力の強化とかはなさそうですね。」

「ああ。少なくとも我々が理解できる範疇の存在であって助かった。」

 ガラスの向こうの男性を見ながら白衣の研究者たちはそんな会話をしていた。

「被寄生者がここに存在している以上、他に寄生された人間の存在も十分想定できる。いち早く見つけて処分しなければな。」

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