第7話 鎌倉幕府を後100年延命させる方法(その5)

 では、ヒストリー・ミステリー第3話その5を始めよう。


 * * * 


 念の為、鎌倉が何故滅びたのか、それについては、本書その1を参照して欲しい。

 では、解説開始!


 * * * 


・フィリピン併合(経済侵略)

 次に、フィリピンだ。

 ちなみに、フィリピンには、統一王朝など無い。更に、通貨も無い。

 全て、物々交換だった。

 『その』フィリピンに『経済侵略』を仕掛ける!

 では、具体的な策を語るとしよう。


 では、『第一段階』だ。

 まず、やる事は、日本米(白米)を『ご馳走』する。そう、『無料』でだ。

 ちなみに、彼等が常食としていた『タイ米』とは、味で雲泥の差がある。

 間違いない。彼等は、もっと食べたいと言うだろう。

 そこで、『種もみ』と、『栽培方法』を与える。それも、『無料』でだ。

 当然だが、日本から食い詰めた農民を連れてきて、教えさせる。

 最初の年は、収穫を『武士』と『日本の農民』と『フィリピンの農民』で3等分する。

 しかし、人の口に戸は立てられぬ。

 こうした噂を聞きつけて黙っていられないだろう。

 近隣の村からも押しかけて来るに相違ない。

 勿論、平和的な話し合いなら、応じる。

 なんなら、『種もみ』と、『栽培方法』も同様に扱う。

 無論、盗みを働く奴には、容赦しない。村諸共、焼き討ち、皆殺し。

 こうして、『武士』が、『フィリピンの農民』を守る。

 また、『フィリピンの農民』は、『対価』として『年貢米』を納める。

 この『既成事実』を、構築する。後は、『フィリピン』を、『鎌倉』の『直轄領』とし、『代官』を置き、『法律』も『鎌倉』の物を適用するなど『支配』を盤石なものにしていく。

 ちなみに、皆殺しで、空白になった村には、日本の農民が入植し、日本式の田畑を構築。

 更に、この『支配体制』を『拡大』する。

 フィリピンは、多数の島々から成っている。

 それら全てに、上記の活動を実施し、『鎌倉』の『直轄領』としていく。

 ここまでが、『第一段階』だ。


 ここからが、『第二段階』だ。

 まず、予め『酒造職人』を呼んでおく。

 更に、『収穫祭』を開く。そこで、フィリピンの農民に、『日本酒』を振る舞う。

 それも『無料』でだ。

 きっと、彼等は、白米より美味しい『日本酒』をもっと飲みたいと言うだろう。

 そこで、『酒造職人』を紹介し、こう説明する。

「酒の材料は、『白米』だ。彼等に君達の『白米』を渡せば、酒にしてくれる。

 但し、彼等にも生活がある。彼等の食料、家、着物は、君達が用意しなさい。」

 で、彼等は、自分達が、食べる米を『酒造職人』に差し出す事になるだろう。


 まだだ。まだ、『第二段階』には、続きがある。

 更に、『白拍子』を呼ぶ。

 尚、『白拍子』とは、当時流行った歌舞の一種であり、それを演ずる芸人だ。

 主に男装の遊女や子供が、演じていた。彼女達に、芸を披露してもらうのだよ。

 大いに盛り上がるであろう。『収穫祭』はな。

 フィリピンの農民が、食いついてくれば、こう言えばよい。

「今回は、収穫祭だ。好意で、彼女達を呼んだまでだ。

 もし、諸君らが、今後も彼女らに、芸を披露して欲しいなら『対価』が必要だ。

 彼女等にも生活がある。彼女等の食料、家、着物は、君達が用意しなさい。」

 で、彼等は、自分達が、食べる米を『白拍子』に差し出す事になるだろう。


 これらの目的は、『フィリピン人』を『困窮』させる事だ。

 では、『最終段階』に入るとしよう。

 彼等は、自分で食べる筈の『白米』を、『酒造職人』や『白拍子』に差し出しているのだ。

 そりゃ、自分達の『食い扶持』が、減っていくさ。

 すると、『年貢米』にも事欠く事になるだろう。

 では、どうするか?

 恐らく、『フィリピン人』は、『年貢米』の支払い猶予や、値切りにかかるだろう。

 ならば、『年貢米』の代わりに、『代替物』を差し出す様、指示する。

「ならば、『年貢米』の代わりに、『女子供』を差し出せ。30歳未満の者に限る。」

 勿論、人数にも調整が必要だ。

 村の人口から、10分の1程度で、きりのいい数字がよい。

 もし、人口49人以下の村なら、5人だ。

 もし、人口50人~149人の村なら、10人だ。

 もし、人口150~249人の村なら、20人だ。

 これで、1年分の『年貢米』を支払った物とみなす。

 例え、人口が500人いても、若年層の率は、3割程度だ、

 ならば、3~5年も続ければ、中高年ばかりになるだろう。

 後は、日本人の農民(男だけ)を呼びつけて、田畑の管理運営をやらせる。

 勿論、日本人の農民は、1年で帰国させ、次の農民を(男だけ)を呼ぶ。

 後は、『フィリピン人』が、死に絶えてから日本人の農民を家族ごと呼ぶ。

 また、差し出された『女子供』は、日本に連れて行き、武家の使用人などの仕事を与える。

 いずれ、日本人と混血し、フィリピン人だとは、分からなくなるだろう。

 これで、フィリピン併合完了だ。


 * * * 


 フィリピンは、いいぞぉ。

 何しろ、沖縄以上に熱いから、サトウキビも、稲も良く育つ。

 バナナもいいな。栄養価も豊富だし。

 海岸線も長いから、塩だって取り易い。

 幕府直轄領として申し分ない。


 * * * 


 こんな所だな。

 尺もいい頃合いなので、そろそろ締めよう。

 では、また……


<続く>

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