第4創造
わたくしは神ですわ。名前は・・・田中ですわ・・・。
少し・・・いえ結構?まぁいいですわ。前までは『夏目麗子』と言う名前でしたが、訳あって今は田中と名乗っておりますわ。
まぁ名前の事はどうでもいいですわ。それより今は目の前の事ですわね・・・うーん・・・。
吾輩改め山田:吾輩は神である。名前は山田である。
神・田中:山田様!ようやく戻って来たのですわ!
神・山田:うん?どうしたのであるか?
神・田中:どうしたのであるか?じゃないですわ!いきなりわたくしに、取りあえず土台となる星を創ってみるのである、と言って放り出しておいてそれは無いですわ!
神・山田:失敬失敬なのである。最近気になっていた、とある星の人間の物語が激しく動いていたので見ていたのである。
神・田中:そうですの!?その方はどうなりましたの!?
神・山田:記憶を共有してやるのである。
そういうと山田様・・・神にならないか?とわたくしに言ってくれたお方、は何かをしたのでしょう、わたくしはある少女の人生における一幕を理解しましたわ。
神・田中:波乱に満ちた人生ですわね・・・強く生きてほしいですわ。
わたくしも人の事を言えませんが、この少女もなかなかハードな人生ですわ・・・。操られていたとはいえ親しい人を殺してしまったり、超常的な力のある世界に放り込まれたり・・・
神・田中:・・・ってこれ、地球の出来事ですの!?
神・山田:そうなのである。と言っても田中の居た地球とはまた違うのであるが。
神・田中:???
神・山田:まだ解らぬと思っていたのであるが、やはり解らぬのであるか。追々理解は出来ると思うのであるが、解りやすく言うのであるならば『パラレルワールド』と言う奴である。
神・田中:自分の世界と別の歴史をたどった世界・・・っていうあれですの?
神・山田:そうである。星・・・世界を創ると、ある時期から無数の平行世界が生まれるのである。これらを剪定や保護、育成をするのも神の管理の一環である。
神・田中:それを聞くと今でもこうなのに自信が無くなりますわ・・・。
わたくしは山田様に創っていた星を見てもらう事にしましたわ。最初に唸っていた原因もこれですの・・・。
神・山田:唸るほどなのであるか。どれ・・・成程成程なのである。
神・田中:任せたと言われて星を創り始め、もう何度目かわかりませんわ。何故かこうなってしまいますの・・・。
わたくしが山田様に見てもらった星は・・・壊れかけていましたわ。
それまで根付いていた生命は死滅し、大地は荒れ果て、海も枯れかけ、大気の状態もグチャグチャで・・・崩れる一歩手前という感じでしたわ。
神・田中:解りませんの・・・きちんと手を入れている筈なのに、なぜかいつもこうなるのですわ・・・。
一応ベースとなる星の創り方は『情報官』の力も使い、無意識の海?やら山田様に渡された情報を元に習得いたしましたわ。
そこから先の創り方も力を使って常に星をモニタリングし、微に入り細を穿つといった様子で手を入れていましたわ。
それなのに何故・・・もう解りませんわ!
神・山田:それは田中が優しすぎるのが原因である。
神・田中:え?どういうことですの?
神・山田:星というのは不思議なモノなのであるよ。そうであるな・・・例えるなら田中が元はそうであった存在、人間によく似ているのである。
神・田中:人間と星が似ているですの?
神・山田:例えであるがな。星は人間と同じく、最初は細かく世話を見てやるのである。だからここは田中のやり方で正解なのである。しかし問題はある程度育ってからなのである。
わたくしはそこまで言われ何となく解りましたわ。要は育ってからも全てわたくし(親)が面倒をみると、星(子供)は成長する機会を失い宜しくない、という事ですのね。
神・山田:そういう事である。田中は優しすぎる故、手を出し過ぎなのである。
神・田中:そういう事でしたのね・・・
反省ですわ・・・。わたくしは自分で創った星を心配し過ぎる余りに手を出し過ぎていたようですわ。
神・田中:解りましたわ。手を出したくなるところを我慢しますわ!
神・山田:信じて見守る事も大事であるな。
山田様に助言をもらったわたくしは、今の壊れかけた星を謝罪と共に圧縮しましたわ。せめて次の星の核にしようと思いましたの。
神・田中:・・・
圧縮し小さくなった元星を見ていると、わたくしも変わったと実感してしまいましたわ。
山田様は先程わたくしを優しいとおっしゃいましたが、軽く星を潰したわたくしは・・・
神・山田:十分優しいのである。
神・田中:え?
神・山田:吾輩達純粋な神は神故に、生命の扱いが元人間の田中とは違うのである。先程吾輩が気になって見て来た人間も、吾輩はその人間が作り出した物語に興味があっただけで、その人間自体にはさほど興味がないのである。
故に、吾輩達純粋な神とは違って星や生命そのものを気遣う田中は優しいと言えるのである。
神・田中:難しいですわね・・・。
立場が違えば考え方も違うと言ったところですわね・・・。これは深く考えると哲学になりそうですわ。
神・山田:哲学というのも人間ならではであるな。神はそんな事を考えぬのである。
神・田中:それもまた哲学的な考えですわね・・・。
偶々神になったわたくしですが、これから先果たしてどうなるのでしょう・・・出来る事ならば人間的思考は手放したくありませんわね。
わたくしは小さくなった元星を見ながらそんな事を思いましたわ。
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吾輩より:吾輩の話を見てくれてありがたいのである。しばらく期間が空いているのは下記の通り感覚のズレのせいである。すまぬのである。
謝罪序でにもう一つ、今回は田中側からの話しだったのである故に、文の記述はあの様に表記されたであるのだが、次回からはまた変わるかもしれないのである。
以下複製文章である。
吾輩、時間の感覚が見てくれている者達と大分ずれているのである。なので吾輩の話は為るべく見ている者に合わせるのであるが、大分遅く感じるかもである。
「其でも良い」「話の続きが気になる」と思ったのなら、☆で高評価や♡で応援してほしいのである。吾輩、星やハートは大好きである。
吾輩は神である。 いぬまる @jokusukida
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