第3創造

 吾輩は神である。名前は特にない。


 吾輩は前回、無に置いていた筈の記憶、宇宙の創り方の記憶を回収して来たのである。其処で吾輩も吃驚な事があったのである。有ろう事か、其処には星が存在し、吾輩の記憶が蠢き、其処に住まう人を襲っていたのである。吾輩は慌てて時を止め、その間に記憶を回収したのである。


 以上が前回までの吾輩である。吾輩、この記述を誰かが認識していると知っているので、説明したのである。詳しくは前回の吾輩の記述、無意識の海が出てくる辺りを見るのである。


 閑話休題である。


 さて、吾輩、早速記憶を戻すとするのである。然し何故記憶が動いていたのであるか?


 ふむ?ふむふむ?


 為るほどである。何かが吾輩の記憶と混じっているのである。分離させるのである。


 吾輩、またもや吃驚である。吾輩の蠢く記憶に混じったモノを分離させたら人が出て来たのである。此れ、起きるのである。


 吾輩は人の子の意識を覚醒させたのである。人の子は無事に意識を覚醒させたのである。しかし放心してるのであるな。暫く待つのである。


 それにしても此の人の子、吾輩を認識している筈なのに無事の様であるな。吾輩の記憶から何かを読み取ったのであるか?ふむそろそろ人の子の意識が強くなるのである。


 ここより少し記述方法を変えるのである。記述者よ、頼むのである。


 ☆★☆


 吾輩:ふむ、為るほど。此の様な塩梅であるか。


 人の子:わたくしは一体・・・。・・・貴方様は神様でして?


 吾輩:そうである、吾輩は神である。名前は特にないのである。


 人の子:パクリでして?まぁそれはどうでもいいですわ。わたくし、神様に恨み言がありますわ。何かわかりまして?


 吾輩:恨み言であるか?ふむ、少し待つのである。


 吾輩は人の子に恨まれていると宣言されたのである。少し情報を取得し、読み解くのである。・・・為るほどである。


 吾輩:情報を読み解き、何が起こったのか解ったのである。吾輩、その恨み言甘んじて受けるのである。


 吾輩は一連の出来事に関連はしていないのである。然し、吾輩は『神』である。同じ『神』が起こした出来事故、恨み言は聞くべきである。それから吾輩は延々と人の子からの恨み言を聞いたのである。


 吾輩は神である。その為、その精神構造も人とは違うのである。人の子の恨み事に何も感じない訳ではないが、逆に全て共感できるという訳でもないのである。故に人の子は、最初は怒り恨み言を口に出していたが、吾輩が全く動じず話を聞いていたので、段々と大人しくなってきたのである。


 吾輩:言いたい恨み言は以上であるか?


 人の子:そうでしてよ・・・。やはり神様に人間如きの話はどうでもよくて?


 吾輩:如何でもよい事は無いが、吾輩は神である。人の子とは精神の構造が違うので全て解ると言う訳ではないのである。


 人の子:そうですの・・・。人は所詮、神様の玩具なのですわね・・・。


 吾輩:否定はしないのである。確かにそういう側面もあるのである。


 人の子の言う事は間違いではないのである。人の子は吾輩達が創造したモノ。愛おしさはあれど、其れは『神』の価値観である。人の言う愛おしさとはまた別で、故に玩具と人の子が称したのも、人の子の価値観で言えばそうなるのである。


 人の子:もうどうでもいいですわ・・・。早く次の人生にでも送ってくださいまし・・・。もう全て忘れたいですわ・・・。


 吾輩:ふむ。解ったのである。然し、少しだけ待つのである。先に此れを回収しておくのである。


 人の子:それは・・・魔王の力の源泉ですの?


 吾輩:否、此れは吾輩の記憶である。魔王の力の源泉とは、あの宇宙を管理する『神』が、吾輩の記憶だと解らずにでっち上げたモノである。


 人の子:・・・なっ!まぁそれも今更ですわね・・・。


 人の子は一瞬怒りの感情を顕わにしたが、直ぐに治まった様である。ふむ?まぁよいのである。取りあえず回収である。


 ふむ、ふむふむ。為るほどである。


 吾輩:人の子よ。1つ提案なのである。


 人の子:・・・なんですの?


 吾輩:其方、『神』に成らぬか?


 人の子:・・・なんですって?


 吾輩、人の子に提案したのであるが、ふざけていると思われたのである。吾輩、至極真面目である。


 抑々そもそも、人の子が吾輩と意思の疎通を交わしている事が不思議だったのである。吾輩の記憶を回収して、其の理由が解ったのである。其の理由とは、人の子が異世界転移した時に授かった職業である。その名は『情報官』。あの世界は情報伝達の方法や重要さが未熟な世界で、その真価が発揮できていなかったのであるな。然し、此の『情報官』と言うモノ、吾輩達からすれば、凄まじいのである。


 吾輩達『神』を簡単に表すなら、超超密度の情報圧縮体、此の様に表すのである。人の子が授かった『情報官』は、吾輩達『神』の情報すら処理できてしまう、そんな凄まじいモノである。恐らくあの世界で上手く事が運んでいたなら、宇宙を管理する『神』と意思疎通もできたはずである。『情報官』を創った『神』もそう思い、力を入れて創った筈なのに、残念であるな。


 さて、何故吾輩がそんな人の子を『神』に成らぬか誘ったかと言うと、人の子は此の『情報官』の力を無意識に使い、吾輩の記憶から情報を解析、結果、神の様なモノに変わってしまったのである。例えて言うなら、『擬神ぎしん』であるな。因みに、『擬神』となった人の子、精神構造も少し変化しているのである。あのような出来事が有った人の子にしては正常なのは、恐らく其の所為である。


 吾輩は、試しに『神』が使う伝達方法で、一気に上記の情報を送ってみたのである。


 人の子:・・・え?これって何ですの?え?え?


 戸惑っているのである。まだ慣れてはいないのであるな。直ぐに慣れるのである。


 人の子:あ・・・はい・・・そうですの・・・。


 ふむ。ヤハリ無意識で使っているみたいであるな。慣れれば此の様に意思を伝えられるのである。


 人の子:そう言われれば神様は喋っていると言う感じではありませんわね。頭の中に直接!という感じですわ。


 其れは地球の文化のオタク用語と呼ばれるものであるな?吾輩知っているのである。


 人の子:ち・・・ちがいますわっ!・・・ってこの様な状況ではもうどうでもいいですわね。ええ、そうですわ。わたくしその様な感じの事も好きですってよ?


 そうなのであるか。其れは好都合である。


 人の子:好都合ですの・・・?なにがですの?


 吾輩、新しく宇宙を創ろうと思っているのである。今一部の『神』達の間で異世界転生が流行っているのである。其の宇宙創造の手伝いを頼みたいのである。


 人の子:異世界転生流行ってるんですの・・・?わたくし達もその流行りでそうなったんですの!?


 そうである。未だ嫌悪感や拒否感、怒り等の感情が心の内を占めているのであるか?精神構造が少し変化しているので、そうでも無いと思うのであるが。


 人の子:・・・。・・・あら?言われてみればそうですの。何か心の中に棚があって、其処に嫌な感情を隔離しているような・・・おかしな感覚ですわ。


 其のうち慣れるのである。寧ろ、慣れてしまうのであるよ。吾輩達『神』に近づいてしまった人の子、其方もそうなってしまうのである。人であった其方には、幸か不幸か解らぬのであるが。


 人の子:幸という事にしておきますわ。その方がいい気がしますもの。


 そうであるか。シテ、吾輩の手伝いをしてくれるのであるか?


 人の子:そうですわね・・・。やりますわ。


 有り難いのである。では次回から始めるのである。


 人の子:次回?次回ってなんですの?


 その内理解できるのである。それでは今回は此処までとするのである。


 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 吾輩より:吾輩の話を見てくれてありがたいのである。今回話の形式が突然変わったのであるが、次からも大分変るかもしれないのである。


 以下複製文章である。

 吾輩、時間の感覚が見てくれている者達と大分ずれているのである。なので吾輩の話は為るべく見ている者に合わせるのであるが、大分遅く感じるかもである。

「其でも良い」「話の続きが気になる」と思ったのなら、☆で高評価や♡で応援してほしいのである。吾輩、星やハートは大好きである。

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