第15話

ただでさえPVも評価も少ないので辻斬り的にハートと星をつけていっていただけますようお願いします……。

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「おにい! おそい!」


「遅かねぇよ! いつもよりずっと早いだろ? それよりマナはなんでかなえに何でもかんでも俺のことを話しちまうんだよ! 恥かいたじゃないか!」


「え、なんで? いいじゃん、大好きなおにいちゃんのことは知りたいでしょ? ウチも美穂おねえちゃんのこともっと知りたいもん!」


「は? なんでおまえが美穂こと知りたがるんだよ?」


「だっておねえちゃんはラインで聞いても答えてくれないんだもん!」


「おまえ、美穂に何を聞いてんだよ?」


「ん? やだよ。おにいには教えてあげない」


 いつの間にラインの交換をしていたんだ? あれか? 喫茶店のときか?


 美穂、かなえ、真奈美の三人でグループを作ったらしい。たぶん来週にはここに希海さんも加わるんだろうな。

 俺のことなんかそうそう話題に上がるとは考えられないけど、学校でも家でもなんだかすべて情報がみんなに筒抜けなようで背筋に冷たいものが………。


「美穂おねえちゃんは美雪さんだけはグループに絶対に入れないって言っていたけどなんでだろうね? ま、美雪さんからは直接ウチに連絡が来るから漏れはないけどね!」

 俺だけじゃなくて美穂の方も情報筒抜けにされていそうだな。


「はあ……。もういいや、いろいろと諦めるよ。さってと、飯を作るからおまえも手伝えよ、マナ」


 無駄なことに悩まない。しかし気分を改めるためにも腹が減っていてはことが進まない。


「はーい! 今日は何を作るの? おにい」


 冷蔵庫に冷凍庫、食品庫にシステムキッチンの戸棚や引き出しをざっくり確認する。


「カレー、生姜焼き、回鍋肉、ハンバーグ、オムレツにオムライス。唐揚げ、竜田揚げ、親子丼……他にもできるけどやけに時間がかかるものとめんどくさいものは却下する!」


「ん~じゃあ。唐揚げで」


「む……。ちょっと面倒だが、りょーかい。じゃあ、鶏肉を解凍しておいてくれ。俺は着替えてくる」


 うちは両親共働きで今日みたいに両親がどっちも帰宅が遅くなることがよくあるので、夕飯は自分たちで用意することがほぼ常態化しているんだ。だから俺も真奈美も一通りの料理ぐらいは子供の頃からなんてこともなくこなせる。


 唐揚げにする肉をタレに漬け込んでいる間に真奈美は風呂に入らせておく。俺は揚げ担当なので着ている服とか髪の毛がどうせ油臭くなるから食後でいいや。


「おにいもウチと一緒にお風呂に入りたい?」

「……あほか?」


「昔は毎日一緒に入っていたのにね。そんなおにいにも彼女かぁ~」

「ば、ばか。美穂はそんなんじゃ――」


 少し俯いてさみしげな表情をした真奈美に俺は口にした言葉の先を一瞬紡げなくなった。


「ウチも高校生になったら彼氏できるかな? できたらいいなぁ~ あとね――ウチは彼女って言っただけで美穂さんだなんて一言も言ってないからね?」


「っ‼ ――よ、余計なこと言っていないで早く風呂に入ってこい。出てくる頃には飯だぞ?」

「ほーい。では行って参りまーす」


 チクショ。

 まんまと食わされてしまった。真奈美のくせに生意気だ。いや、あいつは小さい頃からずっと生意気だったわ。くっそ!



 俺と妹の真奈美は小さい頃からいつも何をするときも一緒だった。ちっちゃい真奈美は年がら年中俺の後ろをくっついてきていたよな。


 そういえば一時期、ちょうど俺が中学に入った頃かな、俺にも思春期ってやつがきてどうも妹と一緒にいることが恥ずかしいやら煩わしいやらで真奈美のことを突き放したこともあったな。

 その時の真奈美が悲しそうな顔をするもんで申し訳なかったり、自分自身も寂しくなったりしてまた仲良くするようになったんだっけな。

 そのせいで当時は友だちにブラコンにシスコンなんて揶揄れたこともあったけど、雨降って地固まるじゃないが、俺たちは他人の雑言なんて一切気にしない仲良し兄妹になっていたんだよな。

 あれ? 只今絶賛思春期真っ最中の真奈美はそこんところどうなんだろう? あっ、ああ、父さんだけがものすごく真奈美に嫌がられているんだったな……。


「俺のことはともあれ、マナに彼氏ができたらと思うと少しモヤッとするのはなんなんだろう。ま、気にしてもしょうがないかな。それにしても、腹減ったな……。とりま、飯の用意だ」




 この土日の休日は両親ともにGWを外して泊りがけで出かけているから家には不在である。どこかに美味しいものを食べに行くってことで朝早くから出かけていくそうだ。以前は、食事のために遠くまで行くのもどうなのか、とも思ったこともあったけどそれもまたいい趣味なのかもしれないと思えるようになった。夫婦仲はすこぶるいいみたいだしね。


 一方の俺と真奈美は中間考査直前なので勉強漬けの二日間の予定だ。土日の飯の用意は母さんが作り置きしておいてくれるみたいなのでレンチンするだけ済むのはありがたい。とはいっても洗い物めんどくさい。食洗機も買って!



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