第11話
PV伸びないなぁ~ ちくせう……。
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店員の女もとい、眞田生徒会長はなんだか知らないけど上機嫌でマスターに話しかけている。
眞田会長を改めてまじまじと、は見られないけどこっそり横から見てみると三年生の美少女五指に上げられるのも当然かと思えるほどの美しさではある。ただ、話さなければ、口を閉じていれば美人だろうと美少女だろうとその名をほしいままにできるんじゃないだろうか? 今はもうしゃべっているから無理だけど。
姉御肌といえば聞こえはいいけど、たんにがさつなだけじゃないかとこの短い時間に思っていたりする。
「いっやぁ~知られていないとはわたしもまだまだだな! ぐははは! よっし、ここはわたしが一杯ずつ飲み物をおごってやろう。妹分の美穂がせっかく来てくれたんだ。ごちそうだ、いいよね? おじさん!」
可愛い女の子が『ぐははは』とは笑わないよ?
「美雪のバイト代から引いとくから何の問題もないぞ⁉ なんならケーキもつけようか?」
「……はあ、そういうことろ‼ ないわぁ~、おじさんに意地悪されたってお母さんに言っておくね」
「じょ、冗談だよ。あ、姉さんには内緒で頼む。コーヒー四杯でいいか? それともそっちの可愛らしいお子様二人はオレンジジュースかな?」
どうもマスターのお姉さんが眞田会長の母親ということらしい。
「だってさ。お子様二人はどうする?」
眞田会長はからかったつもりなんだろうけど、素直なお子様二人はオレンジジュースをお願いしていた。
「で、美穂。となりの男が例のお前の彼氏か? やっと収まるところに収まったのか?」
「びゅっふっ‼ ゲフゲフゲフっ」
美穂は口にしていたお冷を吹き出して大いにむせていた。女の子が『びゅっふっ』とか言っちゃダメじゃん。口から水を噴射するのもね⁉
眞田会長は美穂の耳元でなにかを言っていたようなのでそれが原因なのかもしれないが、テーブルの上がびしょびしょなので気をつけていただきたい。
「やめてよ、美雪ちゃん! もう、そんなんじゃないんだからっ⁉」
「はいはい。周りにはバレバレなのに気がつかないのは本人ばかりとはね。オマエはラブコメヒロインかよっ」
小説の話なのか? やっぱりよくわからん。
「美雪ちゃん、コーヒー上がったよ。持っていって。あといつまでもサボってないでお昼の仕込みまだ終わってないでしょ?」
「へ~い」
眞田会長は『どうぞごゆっくり』と店員らしい一言を残し奥の厨房らしきところに入っていってしまった。
「美穂って眞田会長と仲がいいのか?」
「うん、美雪ちゃんとは幼馴染で家も近所なんだよ。それにしてもここが美雪ちゃんのおじさんの喫茶店とは知らなかったよ」
さっきケーキと聞いてしまったらケーキが食べたくなってしまったのでケーキも追加で頼んでしまった。ショートケーキ、モンブラン、レアチーズケーキにベイクドチーズケーキ。四つ頼んで全部四人でシェアして分けて頂いた。
ぜんぶを四等分するのは地味に面倒で美穂が女の子同士のこういったのを嫌がるのが何となくわかった気がした。俺と美穂は一口ずつもらって後はお子様二人に全部あげてしまったので今回は面倒はなしだったので良かったが。
お子様二人も俺が思っていたとおりでちょっとの間にすごく仲良しになっていた。うん、うん、良かった。
………ん?
……ん?
ちょっと待て。
俺は何か大事なことを忘れているような?
その後小一時間をかけて俺と美穂、かなえとの関係性を二人が勝手に真奈美に話していて俺が口を挟むすきはまったくなかったと言っておこう。事実とは若干異なる話もなくはなかったけど想定の範囲内だったので諦めた。言っても無駄っぽかったし……。たまに仕事をサボっては眞田会長まで加わってそりゃもう大変なんてもんじゃなかった。
そういえば、マスターがかわいそうなものを見る目で俺のことを見ていたのが印象的だったよ。ちぇっ……。
一方の真奈美は『これは大収穫。お母さんに全部報告しないと!』とホクホク顔で息巻いている。
ついでにいうと美穂とかなえの二人は結託して俺と真奈美に会いに来ようって昨日の時点ですでに計画していたらしい。だから昨日、かなえは俺にあれこれと聞いてきていたんだな。
それにしてもかなえは美穂とはいつ話し合ったんだ? つっかおまえら仲良くなりすぎじゃないか? もう本物の姉妹って感じだよ。
ともあれ女三人よれば姦しいとはよく言ったもので、喫茶店を出てからも三人ともとても楽しそうにしているので俺は丸一日三人の後ろをついて回りしっかりと荷物持ちをさせていただいたのだった。
可愛い女の子が楽しそうにしている姿は見ているだけでも癒やされるよな。
と、俺のとなりを歩いている美穂を見ながら俺が思っていたことは内緒だよ。
かなえと真奈美がたまに振り返っては俺の顔を見てニヤニヤしているのは可愛げがまったくないけどね‼
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諸般の事情により? 更新時間は七時間遅れての朝七時になります。
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