第337話 やっぱり隣の土地は買うしかないよね?

 スイーツを口に入れたリリカちゃんの目が、キラキラと輝き出す。



「おいしーーーーーーーーーー!あまーーーーーーーーーーい!」



 ボクとレオナねえもスイーツの食べ過ぎによる後遺症から復活したので、家族のみんなと一緒にスイーツを御馳走になっています。


 ちなみにみんなお風呂から上がったところで、今はくつろぎタイムなのだ。



「ハイドリムドのスイーツってお洒落ね~。しかもすごく美味しいじゃない!」

「美味しいけど名前がわからないから、なんて呼んでいいか困るかも」

「えーとね~、最初はメモってたんだけど、あまりにも数が多すぎるから途中で面倒になって、名前とかどうでもよくなりました!」

「美味しすぎて、太っちゃいそうなのよ~♪」

「ケーキもあるし絶対食べ切れないだろうから、前回のように知り合いに配りまくって構わないからな!」

「そうね~、会社の皆にご馳走してあげようかしら」

「モコピに半分あげよっと!」

「ダメです。モコねえの分のスイーツも買って来たので、ティアナ姉ちゃんはモコねえの家にお土産ハムちゃんを連れてって、スイーツまみれにしてきてください!」

「ぶはっっっ!モコピもスイーツまみれになるんじゃ、私のスイーツが全然減らないよ!でもモコピんをスイーツまみれにするのはすごく面白そう!!」


 なんでボクが直接行かないのかって?

 モコねえに会うと、腐女子オーラで嫌なイベントが発生しそうだからです!


 しかしティアナ姉ちゃんが悪い顔になってるな~。ボクもお土産爆弾やる時こんな顔になってるのかも。次からは気を付けよう・・・。


「さてクーヤちゃん。お母さん、お寿司が食べたいわ~♪」

「・・・え?ご飯食べてスイーツ食べた後だけど、まだいけるの?」

「お寿司のために控え目にしたから大丈夫なのよ~♪もうね、ずっと食べられなかったから恋しくて恋しくて・・・」

「わかるぜ!アタシのラーメンも出してくれ!」

「たぬきのマーチも!!」

「私もしょっぱいポテチが食べたいかも!」



 そういえばいつもこんな感じだったな~と思いながら、ご注文の品をポイポイ出していった。


 とりあえず今はスイーツまみれで十分目新しい状況なので、チョコレートアイスケーキのお披露目は、もうちょいあとにしよう!






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 久しぶりに自分のベッドで寝て、とても清々しい目覚めだった。


 いつものようにバタバタと朝の準備を済ませた後、クリスお姉ちゃんとティアナ姉ちゃんが同僚や友達に渡すスイーツの話をしていたので、さらにケーキの箱を一つずつ渡したら、『またスイーツが増えた!』と嘆いておられました。


 それと、『モコねえのお土産ハムちゃんをリビングに出しておくから、学校から帰ったらモコねえの家に突撃してください!』と言ったら、ティアナ姉ちゃんがビシッと敬礼して『スイーツまみれにしてきます!』と張り切ってました!



 二人が登校・出社していくのを見届けた後、昨日の話し合いの続きをするために、旅の仲間達が我が家に集結した。



「ハイドリムドからやって来たのね~」

「ええ、馬車を作ってもらう予定なので、この街にしばらく滞在することになると思います」

「あとお肉も買わなきゃです!」

「そういや肉屋に行って予約しておく必要があるか」

「それは大丈夫なのです!お肉を売ってるのは馬車屋さんだから」

「いや、意味が分からん!!なぜ馬車屋が肉を売っている!?」

「クーヤちゃんが関わったせいで、変なことになった感じがしませんか?」

「あははははははは!大体あってるし!!」



 お母さんにマグロのおっちゃんとメルお姉ちゃんを紹介し、彼らの今後の予定などを話して打ち解けたところで、隣の売地の話題へと切り替わった。



「もうすでに昨日の話し合いにより、満場一致で可決されたようなもんだが、隣の土地は買うってことでいいよな?」

「いや、まだ軽くしか話してないよ!」

「私は結構アリかな~って思ってるよ。何だかんだでレオナの家に集まることが多いじゃない?それにすごく面白そうだし!」

「私は大賛成です!ずっとタマちゃんの家に居候していますので、そろそろ部屋を借りなきゃって思っていました」

「気にしなくていいのに」

「そうはいっても、やっぱ気になるんじゃねえか?」

「えーと・・・、出資すれば家賃を払わなくてもいいんですよね?」


 プリンお姉ちゃんはすごく乗り気みたいですな~。


「もちろんだ!デカい建物を建てればそれぞれの部屋もデカくなるし、アパートにして部屋を貸し出せば家賃収入も見込めるぜ。女性限定だけどな!!」

「そういえばレオナの目的は『大奥』だったーーーーー!でもアパート作戦はすごくいいアイデアかも!」

「二階建てにして、上の階をアパートにするのはどう?」

「上でも下でも構わんけど、そういう細かい話は後だ。とにかく土地を買わなきゃ何もできねえぞ!」

「逆に言えば、土地があれば何でもできる!」

「そいういうことだ!」



 外国に遊びに行って突然手に入れた『あぶく銭』みたいなもんだから、結局みんな金に執着心が無く、とりあえず土地を買うことに決まりました。


 もう買ったような気分でワクワクが止まらない状態なので、急いで不動産屋に行って隣の土地をキープしなきゃだ!



「俺達も早いとこ馬車の注文をしに行きたいのだが・・・」

「悪ぃな!まずは急いで土地を手に入れる必要があるから、先に不動産屋に行ってからパンダ工房に行くってことでいいか?」

「えーと、パンダ工房ってのが馬車屋なのですか?」

「そうそう!『パンダ工房』ってのが馬車屋の名前だ。元は鍛冶屋なんで、鍛冶の仕事なんかも頼めるぞ」

「わかった。じゃあ俺達も不動産屋について行こう」

「看板に住所が書いてあったよ」

「よし、んじゃとりあえず隣の家の看板を見に行くぞ!」


「「オーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」」



 というわけで、不動産屋に向かってレッツゴー!

 

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