第299話 久しぶりのイルプシア冒険者ギルド
バサッ バサッ バサッ バサッ
ドサッ!
10体目のグリフォンを狩って来たドラちゃんが、獲物を地面に置いた。
「よし、これで10体目!!ドラちゃんお疲れ様~~~!」
『ギュア!』
ゴーレムに頼んで肩から降ろしてもらい、グリフォンをストックした。
ちなみにゾウ遊びはすぐに飽きて、ゴーレムの肩の上からカブトムシを飛ばして鳥系の魔物を狩っていました。
おかげさまでスズメちゃんを5体ゲットすることが出来たので、大収穫と言えるでしょう。鳥の召喚獣は、普通の狩りじゃなかなか手に入らないのですよ。
本当に時間のある時じゃないと鳥だけを狙い撃ちするなんて出来ないので、自分だけが退屈って状況を十分に生かし切ったと思います!
スズメちゃんって小型だから変に目立たなくて、偵察任務に一番向いている召喚獣なのだ。きっとどこかで大活躍してくれることでしょう。
それから1時間ほど経ってから、ようやくみんなが帰って来た。
「知らない土地でクーヤとはぐれた時って、ハム助が超便利なのな!」
「ハム助が??」
「森の中を歩き回っていると方角が分からなくなったりするだろ?しかしどっちを向いていようが、『クーヤはどこにいる?』って聞くと、召喚士がいる方向をビシッと指差してくれるんだよ!」
「あ~、なるほど!」
ボクの召喚獣だから、
すなわち、ボクが地面に埋めたネジの場所がわかるのと一緒だね。
召喚士と召喚獣の繋がりは海よりも深いのです!
「強い魔物とかいた?」
「いた。ローグザライアほどではないが、いつもの三人だと厳しい戦いになっていたかもしれん」
「プリンちゃんとタマちゃんが大活躍したんだよ~!」
「アイツは手強かったね~。いい値段で売れそう!」
「結構強敵だった」
「全部で10体以上狩りましたので査定に時間が掛かりそうですし、早くギルドに向かった方がいいかもしれません」
タマねえとプリンお姉ちゃんが大活躍したのか!
それはちょっと見たかったかも。
「クーヤ、グリフォンは集まったのか?」
「10体捕まえたよ~」
「よし、目標達成だな。んじゃイルプシアの街の冒険者ギルドに向かうぞ!」
「イルプシア?」
「アタシらが冒険者登録した街の名前じゃねえか!完全に忘れてやがったな?」
そういえば、そんな名前の街だったっけか!?
正直、もう全然記憶に残って無かったでやんすーーーーー!
リナルナで覚えちゃってたけど、それって国の名前なんだよね。
街の名前も強く認識しておかないとダメですな・・・。
街までそれほど離れた場所でもなかったので、ドラちゃんにもう一度お礼を言ってから一旦消して、グリフォンに乗り換えて街へ向かって飛び立った。
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―――――冒険者ギルド・久々のレドン視点―――――
「レドンさん、こんちゃーっス!」
俺の名を呼ぶ声がしたので顔を向けると、Dランク冒険者のハリーが近付いて来る姿が見えた。
「あ、どうもっス!Aランク冒険者の『不滅の大剣』の皆さんがこんな時間に勢揃いってことは、今日は依頼を受けなかったんスか?」
「Aランクだからって、毎日狩りばっかやってられっか。傷付き疲れ果てた戦士には休息も必要なんだよ」
「あははははは!確かに毎日狩りじゃ疲れますもんね!」
「そういうお前はどうなんだ?」
「今日は休みっス」
「オイオイ!そんなんじゃいつまで経ってもDランクのままだぞ?若い頃バリバリ頑張った者だけが、Aランクまで到達することが出来るんだ」
ガチャッ!
その時、冒険者ギルドの入り口のドアが開き、ついそちらの方に目が向いた。
そして中に入って来た集団の服装を見て、どえらい衝撃を受けた。
「「なッ!?」」
「うおっ!なんかスゲーのがギルドに入って来たぞ!」
「ずいぶんと華やかな・・・、もしかして全員女か!?」
「あの黒い服、メチャメチャ格好良いな!」
「いや、ちょっと待て。どこかで見たことあるような気がするんだが・・・」
先頭を歩いている黒い服を着た金髪は、よく見ると赤いビキニを着けているから、おそらく女だな。
そして、その後ろを歩く二人の美女がかなりの上玉だ!
やたらと綺麗な服を着ているが、あまり冒険者っぽくはねえな。
うおっ!何だあのドレスを着た女は!!いや、鎧・・・なのか?
鎧のドレス?なんと豪華絢爛な!!
・・・ちょっと待て。
その後ろを歩いている黒髪の子供、どこかで見た覚えがあるぞ。
どこだ?一体どこで見た?
次の瞬間、一番後ろを歩く黄色いのが見えて、全てを思い出した。
「「クーヤちゃんだ・・・」」
嘘だろ?あの時の一行だったのかよ!!
しかし前に見た時は、こんな格好してなかったハズだぞ!
黄色と黒はこんなだったけど、前を歩く三人の女はもっと普通だったろ!
でもあのドレスの鎧を着た美女は初見だよな?
俺が、あれ程の女を見た記憶を忘れるなど絶対に有り得ん。
(おいハリー、今日は大人しくしてろよ?)
(当たり前じゃないっスか!)
(あの美女達を口説きたいが、こりゃ無理だな・・・)
(無理に決まってるだろ!身の程を知りやがれ!)
(クーヤちゃんの連れって時点でアウトだ。絶対
(これより一切の私語を禁じる。空気となって、嵐が通り過ぎるのを待つんだ)
((合点承知))
しかしあの黒い服、炎柄が格好良すぎだろ・・・。
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