第267話 ホニャ毛のオシャレ装備を考えよう!
リリカちゃんがピンクのウサギに一目惚れしてしまい、少しも離れたくなかったようで、その日はお風呂にも入らず、寝るまでウサギと遊んで過ごした。
夕食もウサギに分け与えながら一緒に食べていたくらいなので、よっぽど気に入ったのでしょう。専属のピンクハムちゃんが嫉妬してたくらいです。
クリスお姉ちゃんとティアナ姉ちゃん、そしてお母さんも黒いモルモットが気に入ったみたいで、代わりばんこに抱っこしてキャーキャーしていました。
やっぱりペットってのは小さい方が喜ばれるみたいですな。
ただボクとレオナねえは、これから毎日グルミーダ狩りをしなければいけないので、あまりモルモットに感情移入しないよう、見て見ぬふりをしてましたけどね!
まあ二人とも『それはそれ、コレはコレ』と割り切って行動出来るタイプなので、たぶん狩りに影響は出ないと思う。
我が家のペットはモルモット。森にいるのはグルミーダなのです!
◇
そして今日もやって来ました『グルミーダの森』。
作戦は決まっていたので、ブロディさんの防具屋で盾を二つ買って来ました。
森に入る前に、[レオナねえ&アイリスお姉ちゃん&ナナお姉ちゃん]、[タマねえ&プリンお姉ちゃん&クーヤちゃん]の2チームに分かれた。
向こうのチームはレオナねえとアイリスお姉ちゃんが盾係で、ナナお姉ちゃんが雷をビリビリする係です。
あと枝切りの風ハムちゃんと、ナナお姉ちゃんの護衛にメルドアを付けました。
こっちは盾の扱いに慣れているプリンお姉ちゃんが一人で盾係をやって、タマねえはクーヤちゃんの護衛をすることになりました。もちろんプリンお姉ちゃんがピンチになったらタマねえが助けに入ることになってます。
そして雷ビリビリ係はペカチョウの仕事とし、ボクはお絵描きを頑張ります!
「じゃあ出発だ!ここは危険な魔物も出るから、みんな気を抜くなよ!」
「「オーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」」
まずは全員で昨日スプーンを埋めた場所まで移動。
そこで二手に分かれた。
百戦錬磨の『もふもふ隊』と違って、ボク達のチームは連携に不安があったので、白くまが先頭を歩くことになった。
そうすることで明らかな過剰戦力となり、後ろの三人はグルミーダ探しに集中出来るようになる。
前方でクマちゃんがドッカンドッカン暴れてる中、タマねえがグルミーダを発見。
盾を構えたプリンお姉ちゃんが接近し、グルミーダが光を放つ。
グルミーダ誘き寄せ作戦のスタートです!
そしてボクはお絵描きスタートです!
さてと、最初はウォーリアのリズお姉ちゃんからだ。
昨日冒険者ギルドで見た時は重そうな鉄の鎧を着ていたんだけど、見た目そのままにパワフルな人だと思うから、装甲は低下させない方がいいでしょう。
ただ他の冒険者と同じく鋼の鎧姿で、所々に茶色い革の防具が見えているといった風貌だった。
防御力的に鎧は絶対だと思うから、ここから格好良くするには色を着けるしかないでしょうね。
問題は何色にするかだけど・・・。
カキカキカキカキ
すごく迷ったけど、結局2色用意することにした。
一つ目は青と黒のグラデーション。
鎧も盾も中央が鮮やかな青で、外側に向かってどんどん黒くなっていく感じ。
茶色い革の装備品は黒に変えてもらった方が良さそうだけど、お金と相談かな?
二つ目は赤と黒のグラデーション。
これも青い鎧と一緒。
どっちが好きかわからないから、本人に好きな方を選んでもらうのだ。
もちろんただ色を塗っただけじゃなく、青い鎧は銀色で、赤い鎧は白で格好良さげな模様をデザインした。喜んでくれるといいんだけど。
次はパラディンのシーラお姉ちゃんの装備だ。
彼女も見た目以上にパワフルみたいで、頑強そうな鎧を着ていた。
でもリズお姉ちゃんと同様、他の冒険者達と似たような見た目だったんだよね。
パラディンといったら治癒魔法、それと翼ってイメージが頭に浮かんだので、鎧は純白に決定。盾はどうすっかな~。
カキカキカキカキ
とりあえず鎧は『聖騎士』って感じのデザインが出来たんだけど、盾に大きく描いた翼みたいな模様を目立たせるため、あえて周囲を黒く塗ってみた。
うん、いいんでない?紫のロングヘアーとも合ってると思う!
シーラお姉ちゃんも完成っと!
次はアークメイジのミルクお姉ちゃん。
彼女は可愛い服を希望してたけど、アークメイジって聞くと色気がある感じの姿しか思い浮かばなかったので、普通に魔法使いでイメージしてみる。
ふむ。
カキカキカキカキ
魔法使いといったら『とんがり帽子』でしょうということで、黒いとんがり帽子は確定。ローブも思い切って黒にし、かといってそれじゃあ可愛くないって思われそうだから、フリフリの白いワンピースを着せる。ブーツは可愛い系の黒で決定!
うん、思ったよりもいい出来なんじゃない?ローブ姿というより魔女っ娘って感じになっちゃったけど、可愛ければ問題ないっしょ!
最後は
カキカキカキカキ
彼女は可愛ければ何でもいいって言ってたので、白とピンクのフリフリな服を描いてみた。最後に白いブーツを履かせれば完成!
なんか彼女の服だけ簡単に決まってしまったので、ノートの次のページに白い制服の絵を描いた。そっちの服がいいって言ったら別にそれはそれで構いませんぞ。
「できたーーーーーーーーーーーーーーー!!」
プリンお姉ちゃんは戦闘に集中していたけど、タマねえが寄ってきたので完成した絵を見せた。
「おおーーーーー!さすクー」
「『さすがクーヤ』って意味だと思うけど、タマねえ略しすぎです!」
「伝わったから問題なし!これならみんな喜ぶと思う」
「良かったーーーーー!あとはグルミーダ狩りを頑張ろー!」
「オーーーーーーーーーー!」
それにしても、シェミールは新作の注文に喜んでくれそうだけど、ブロディさんは塗師の方向に進化してしまいそうだよね。もう少し儲けさせてあげたいな~。
まあ店内の鎧に色塗って置いとけば、他の冒険者が買っていってくれるか!
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