第235話 いらん一言でなぜか超モテモテに!?

 セルパト連邦からミミリア王国にやって来て、それから毎日湯治を続けていたプリンお姉ちゃんの右手が、ようやく普通の日常生活が送れるほど回復してきました!


 もちろん一番は女神の湯の『癒し効果』で間違いんだけど、ゲームでコントローラーのボタンをポチポチ押したりするのも、少しは意味があったんじゃないかと思ってます。


 あとはハムちゃん体操とか?まあ、本人が努力し続けたからこそですね!


 毎日の湯治のおかげで回復してるってことは、プリンお姉ちゃん本人が一番分かってるようで、良くなってきたからといってヤメる気は無いってさ。


 ただ軽く女神の湯依存症になってるのも事実なので、毎日2時間にも及ぶ湯治の期限は『剣が自在に振れるようになるまで』ってことに決めました。


 まあ美肌効果を考えたら、家族全員が依存症なんですけどね・・・。


 そういやこの家族って女性ばかりだけど、結婚適齢期のお姉ちゃんが何人かいますよね?女神の湯が無い普通の家に嫁入りなんて出来るのでしょうか?



 気になったので、なんとなく聞いてみた。



「ところで、みんなそろそろ結婚とかしないの?」



 ピキッ



 ショタの何気ない質問に、風呂上がりのお寿司を美味しそうに食べていたお姉ちゃんズ全員が固まった。


 ちなみにアイテム召喚が終わった後なので、プリンお姉ちゃんはもうすでにタマねえの家です。え?召喚ですか?ハズレでしたよ!



「わ、私はまだ学生だし?しばらく結婚するつもりはないよ」


 まあティアナ姉ちゃんは高校生くらいだから当然か。

 でも彼氏がいる雰囲気は微塵もありませんね。


「結婚なんかしたら、この家を出て行かなきゃならねえだろ!」

「婿養子はダメなのよ~。これ以上人が増えたら家が窮屈になっちゃうわ~」

「もちろんそんなのは論外だ。っていうかさ、家を出たらラーメンが食えなくなるのが問題なんだ!もしどこかに嫁ぐことになってもクーヤは連れて行くぞ!」

「そんなのダメに決まってるじゃない!クーヤくんを連れて行かれたら、コーヒーが飲めなくなっちゃうわ!」

「そう言うクリスねえはどうなんだよ?そろそろ独身でいるには厳しくねえか?」



 ピシッ!



 レオナねえの今のひと言で、クリスお姉ちゃんの何かにヒビが入った。



「ぜ、全然問題ないわ。私はクーヤくんと結婚するって心に決めているし!!」


 なにィ!?


「ボクまだ7歳なんですけど!!」


 もふっ


 クリスお姉ちゃんに抱き寄せられて、おっぱいに埋もれた。


「愛に歳の差なんて関係ないわ!えーとクーヤくんは今7歳だから、あと8年・・・いや、5年もすれば子供を作れるようになるわよね?」

「5年だとまだ厳しいんじゃね?それに、その頃にはクリスねえの年齢が」

「シャラーーーーーーーーーーーップ!!」


 クリスお姉ちゃんの迫力に、レオナねえもたじろいだ。


「部屋を見渡して御覧なさい!」

「ん?」

「便利道具の数々、お寿司、コーヒー、そして女神の湯もそうね」

「それが?」

「アナタは、これらをすべて手放してまで嫁に行けと言うの?」

「それな!!ぶっちゃけもう、クーヤ抜きの生活なんて考えられねえよな!」

「そうなのよ!!だから私はクーヤくんと結婚するしかないの!」


 な、なんだってーーーーーーーーーー!?

 家族で結婚なんて出来るの!?いや、血は繋がってないけど・・・。


「ん~~~、アタシもクーヤと結婚すっかな~」

「何でそうなるのよ!頼りになる強い冒険者で気になってる人とかいないの?」

「強い弱い関係なしに冒険者なんて絶対お断りだ!!アタシは毛むくじゃらでクッサイ男がさ、なんつーか・・・生理的に無理なんだよ!!」


 ・・・ハッ!?


 だからレオナねえは尊い道を突き進んでいたのか!!

 謎は全て解けた!!


 レオナねえがこっちに歩いて来て、クリスお姉ちゃんのおっぱいに埋もれていたショタをひょいと持ち上げた。


「見ろ、このツルツルお肌を!アタシの読みでは、クーヤは30歳を超えてもスベスベのツルツルお肌だ!おそらく死ぬまで胸毛が生えてくることも無いだろう。やっぱこういうのが理想だよな~!」


 それを聞いた家族全員がウンウン頷いている。

 なんとなくボクもそんな気がします。


「お風呂大好きだもんね!やっぱり清潔感は大事だよ。よし、私もクーヤくんと結婚しよう!」

「だめーーーーー!クーヤはあたしのーーーーー!」

「お母さんもクーヤちゃんと結婚するのよ~~~♪」


「「お母さんにはお父さんがいるでしょうが!!」」


 当然ながら、お母さんの一言には一斉にツッコミが入った。

 哀れ社畜・・・。


「でも~、紅茶とお寿司の無い生活なんて、もう考えられないのよ~~~!」

「クーヤくんから離れると失うモノが大き過ぎるのよね~」

「わかるぜ!やっぱクーヤは一家に一台必要だよな~」


 一台って、クーヤちゃんは家電か何かですか!?


「待って!みんなクーヤくんの意志を無視し過ぎだよ!私達が結婚したいって言っても、クーヤくんが嫌がったらどうするのさ?」


 ・・・え、ボクの意志ですか?


 エッチなお姉さんとか大好物ですけど?

 むしろ同世代はロリっ子過ぎて、恋愛対象としては厳しいですな。


 っていうか、みんなの視線を一斉に浴びているので何か言わないと・・・。



「ボクは家族のみんなが大好きなのですよ!」



「「おお~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!」」



「タマねえもプリンお姉ちゃんもアイリスお姉ちゃんもナナお姉ちゃんもレミお姉ちゃんもモコねえもラン姉ちゃんもぺち子姉ちゃんも、みんな大好きなのです!」



 家族全員がズッコケた。



「好きは好きでも、その好きはちょっと違うかな?」

「なるほど。どうやら聞くのがちょっと早過ぎたみたいね」

「こいつぁとんだスケコマシに育ちそうだぜ・・・」



 いや全然違わないです。本気で恋愛対象として言ってたりするんですよこれが。

 この中の誰と結婚しても幸せになれると本気で思ってます!


 そういえばこの国って重婚とか可能なの?教えてエロい人!!

 

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