第233話 二人のマッチョとラン姉ちゃんをわからせる

 三種の神器を心ゆくまで堪能した二人のマッチョとラン姉ちゃんだったが、10分後くらいに容器を消すと、お腹が引っ込んだ途端にツッコミの嵐が来た。



「だから、三人が食べたのはボクの召喚獣なのです」



 召喚獣を食ったとパーフェクトな説明をしても、三人共パンダ社長を見つめた後に、やっぱり納得のいかない顔になってツッコミは継続される。



「いや、普通に料理だったろ!」

「アレが召喚獣って説明されても、納得するわけないでしょうが!!」

「そもそも魔物しか召喚獣に出来ないハズだが?」


 常識に囚われた哀れな人達ですね~。


「その常識を取っ払えば全て解決するのです!だって本当に料理屋さんが作ったばかりの料理を召喚獣に出来たんだもん。ボクの生まれ故郷のモノ限定だけど」

「生まれ故郷のモノ限定?じゃあ俺が作った料理を召喚獣にしろと言っても、それは出来ないということか?」

「それは無理。なぜか知らないけど、ボクは生まれ故郷のアイテムを毎日ひとつだけ召喚することが出来るのです!何が出てくるかはランダムなので、靴が片方だけ出てきたり、前にライガーさんに見せた鉄板が出てきたりもします」

「なるほど!それでクーヤの家は不思議アイテムだらけなのか!!」

「あーーーーー!前に一度見た謎召喚だ!!凄い光で目が潰れるかと思ったし!」

「本当にワケが分からんな。しかし目の前でその召喚を見たというのならば事実なのだろう。実際に俺も呼び出したアイテムの数々をこの目で見ている」

「でね、その召喚で呼び出したモノはストックすることが出来るのです!だから鉄板でも料理でも出し入れ自由なのですよ。魔力は消費するけど」

「それで召喚獣と呼んでいるわけか。やっと意味が分かったぞ!」

「俺には分からん!」



 特殊な例だし、召喚士じゃないと理解出来ないことなのかもしれないね。


 あ、そうだ!

 レミお姉ちゃんの特許のことで、ライガーさんに相談しようと思ってたんだ。



「ねえライガーさん!時計屋さんが天才すぎるから特許を取らせてあげたいんだけど、本人を連れてくるので相談に乗ってもらえる?」

「時計屋さん?それって、あの時計を作ってくれる例の職人か?」

「うん!」

「なるほど・・・。確かに役所に行く前に一度話し合った方がいいだろうな。いつ連れて来ても構わんが、一応ハムちゃんに連絡をくれ」

「あい!」

「それなら話が早い!本人に直接時計の注文が出来るようになるのは大きいぞ!」

「エーーーーー!時計屋さんを連れて来るの!?私達以外にも時計を欲しがる人が何人も出現すると思うから、予約でいっぱいになったりして!」


 あっ!その可能性はあるかもしれない・・・。

 ボクも先に何個か注文しておいた方がいいかな?モコねえの分とか作ってないし。



「よし、じゃあそろそろボク達は家に帰るね」

「最高の鞍を作ってくれて感謝するぜ!」


「ああ、気を付けて帰れよ!」

「気に入ってもらえて良かったよ」



 ということで、本日の行事はこれにて終了です!

 明日か明後日に、レミお姉ちゃんを連れてまたココに来ることになるけど。






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 濃厚な一日で何だかんだ疲れたのもあり、結局次の日はスーパーマリモブラザーズをして遊んで過ごした。可愛いショタにも休息は必要なのです。


 そして、更に翌日。


 北の未開の地でグリフォンの飛行訓練をしたいというレオナねえ達三人の頼みを聞き、朝から3時間ほど一緒にグリフォンを乗り回し、彼女らの3体だけを残してボク達はレミお姉ちゃんの家に向かった。



『あれ?誰もいなくない??・・・ハッ、もしかして!!』


 ガチャッ


「やっぱりクーヤちゃんだったーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

「わぷっ!!」



 といった、いつもの一連の流れをトレースした後、レミお姉ちゃんから残りの時計を受け取り、更に追加分の時計の注文をしてから、特許の相談をしにパンダ工房に行こうと話を持ち掛けた。



「う~ん、特許ねえ・・・。すごく面倒臭そうじゃない?」

「だからこそ、ライガーさんと相談しなきゃなのですよ」

「商売人になるつもりは無いんだけど、もう実際に時計を売ったりしてるからね~。わかったわ、用意をするから少し待っててね~!」

「あい!」


 お出掛けの用意が出来たレミお姉ちゃんと一緒に玄関を出てから、トナカイを3体召喚した。


 しかし、いつものようにプリンお姉ちゃんと相乗りすると、レミお姉ちゃんから待ったが掛かった。


「ちょっと待って!クーヤちゃんと一緒に乗りたいわ!!」

「えええええ!?でもプリンお姉ちゃんの右手が心配だから、まだ一人じゃ乗せられないよ?」

「えーと、そろそろ一人でも大丈夫な気がしますよ?少し寂しくはありますが」

「しょうがない。今日はタマがプリンねえと一緒に乗ってく」

「あ、じゃあタマねえお願い!ボクはレミお姉ちゃんと乗ってくから」


 3体出してあったトナカイを1体消して、レミお姉ちゃんに抱えられた状態でトナカイに跨った。


「クーヤちゃんと相乗りだ~!なんて素晴らしいの!!」


 後頭部が爆乳に埋もれていて、実はボクも結構幸せだったりします。

 ウム、これは良いモノだ!



 そして、レミお姉ちゃんが天下無敵のショタコンなのもあり、密着度99%でハムハムされながらパンダ工房へと向かって行った。



 ・・・なるほど。



 柔らかくて幸せいっぱいなのは間違いないんだけど、時折タマねえとプリンお姉ちゃんの方から冷たい視線が突き刺さるし、すれ違う独身男性からはビシバシ殺気が飛んで来るので、公共の場でレミお姉ちゃんと同伴するのは色々と危険かもです!

 

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