第183話 地上の楽園『リリカ島』
いつものメンバーに、お母さん・クリスお姉ちゃん・ティアナ姉ちゃん・リリカちゃんを加えた一行は、無事『リリカ島』へと着陸した。
ガチャッ
「もうこの島の安全は確認できているから、みんなそのまま降りてくれ!」
「「はーーーーーーーーーーーーーーーーーい!!」」
ゴンドラから外に出てすぐに、春の暖かい日差しを感じた。
空は雲一つ無い快晴だ!
これで今日の思い出がワンランク素晴らしいモノになったぞ!
「わあああああああああ~~~~~~~~~~~~!」
「まあ!なんて美しい景色なんでしょう!」
「本当に綺麗・・・」
「お~~~~~~~~~~~!よくこんな素晴らしい島を見つけたね!」
当然ながら、みんなボク達が最初に感じたのと同じ印象を受けたみたい。
「あっ、向こうに家がある!・・・あれ?ココって無人島じゃなかったの?」
「無人島だぞ!あの家はアタシらが建てたんだぜ?」
「本当に!?凄いわね~~~!」
「こうして一泊二日の予定で来ることもあるんだし、やっぱり寝る場所くらいはあった方がいいと思ってさ!」
「とりあえずゴンドラを外してもらっていい?ドラ、じゃなかった、ラーニャンを自由に遊ばせてあげようと思って!」
「自由にって、魔力は大丈夫なのか?」
「夕方まで自由時間にするだけだから全然余裕!その後一旦消して、帰る時にまた呼び出す感じかな?たぶん4日くらい出しっ放しでも大丈夫だけど念のためね!」
「そうだな・・・。うん、それがいいだろう。じゃあゴンドラを外すぞ~!」
ドラゴンをゲットしてから2年も経ったからね!毎日のアイテム召喚にて、クーヤちゃんの魔力はとんでもない量になっているのだ。
魔力の最大値が増えたと同時に1日の回復量も上昇したので、例え魔力がスッカラカンになっても、たぶん3日くらい寝起きすれば、丸一日ドラちゃんを飛ばせるんじゃないかな?ちゃんとした検証はしてないけど。
ちなみに草原に建てたログハウスは、この島で一から作ったのではなく、未開の地で木を伐り、街で材料を集めて、それらを全部ハムちゃんに持たせてココで組み立てたのだ。
もちろんボク達だけでやるのは大変ってことで、ゴーレム達にも手伝ってもらいました!彼らの働きは召喚獣の中でもピカイチなので、ご褒美として岩場で遊ばせてあげる予定です。ついでにハムちゃん達もストレス発散させてあげようかな?
ドラちゃんの背中にゴーレムとハムちゃんを召喚し、ハムちゃんから縄梯子を受け取ったゴーレムがそれを地上へと垂らした。
すかさずレオナねえとアイリスお姉ちゃんが縄梯子を登ってゴンドラを外し、ゴンドラはハム助に収納してもらう。
作業が終わり、ドラちゃんに『夕方まで自由時間だから好きに遊んでていいよ!』と言ったら、目をキラキラさせながらどこかへ飛んで行った。
そしてリリカちゃんの護衛としてメルドアを召喚。
この島の安全は確認済みなんだけど一応ね!
「レオナ、もうお昼だけど食事はどうする?」
「今から釣りを始めても変な時間に食うことになると思ったから、一応ハンバーガーを作って持って来たぞ。ってことで海の幸は夕食だ!」
「じゃあ一休みしてから貝を獲りに行こうか」
「いや、貝はクーヤとタマに任せて、アタシらは釣り部隊だ!んで、お客さん方には自由にしていてもらおう」
「「了解!」」
前回来た時、ナナお姉ちゃんにどれが美味しい貝なのか教えてもらったのだ。
ボクもタマねえもすでに貝職人なのですよ!
「とりあえずゴーレムとハムちゃん達を放牧してくるね!」
「放牧って、この島に牧場なんかねーぞー」
「そう細かいことを気にするから頭が黄色くなるのです!」
「お前も黄色じゃねえか!つーか全身が黄色じゃねえか!!」
「アイヤー!」
こりゃ一本取られましたなと、おでこをペシッと叩いてから、タマねえとリリカちゃんを連れて岩場まで移動。そこに手持ちゴーレムを全部出した。
「明日の帰る時間まで好きに遊んでていいよ!いつもありがとね!」
そう言うと、ゴーレム達から歓喜の感情が流れ込んで来た。
そしてのっそりと思い思いの場所に散って行く。
他の人には見た目じゃさっぱりわからないだろうけど、無機質そうなカロリーゼロにも感情はあるのです!こういうのって、召喚士にしかわからない特権かもね。
「ゴーレム嬉しそう!」
「みんなよろこんでるね!」
わかるんかーーーい!!
「じゃあ次は草原に行くよ~」
そしてハムちゃん達をログハウスの周りに出して、彼らにも自由時間だということを伝えたら、みんな喜んで森の中に突撃して行った。
草原で遊ぶのかと思ってたのに、よく考えたらハムちゃん達って森の中に住んでたんだよな。
何して遊ぶのかは知らんけど、収納空間がゴミだらけになりそうな予感がしますね。帰ったら整理整頓させなきゃ・・・。
せっかくなので、ログハウスの前に手作りの木のテーブルと椅子を出し、その上にポットとコーヒー紅茶セットを出した。
すると、ログハウスに荷物を置きに行っていたお母さんとクリスお姉ちゃんが中から出て来て、目をキラキラさせた。
「クーヤくん、わかってるじゃない!」
「無人島の美しい景色を見ながら紅茶が飲めるなんて、素晴らしいわね~!」
「夏だったら暑くてどうかと思うけど、この季節なら丁度いいよね!」
「私は真夏でもコーヒーを飲むわよ?」
「クリスお姉ちゃんは、季節に関係なく毎日熱いのを飲んでますね・・・」
誰が言ったか知らんが、『暑い時ほど熱い飲み物を』ってのがあったよな。どう考えても生き地獄だから自分には理解不能だけど。
「夕食は、釣った魚と貝なんかで『海づくし』の予定だけど、まだお昼だからハンバーガーを置いとくね」
「海づくしは楽しみね!それならお昼は食べないで我慢しておくわ」
「お母さんも海の幸をお腹いっぱい食べたいから、お昼は抜きにしようかな~」
「確かにその方がいいかもだね。じゃあボク達もお腹を空かせとこうか!」
「賛成!」
「さんせーーーーーーーーーい!!」
というわけで、持参したハンバーガーはお持ち帰りですね。
ハムちゃんに預けておけば腐らないから、別に問題はないのだ。
でもみんな遊びに行っちゃったから、釣りメンバーのハム助に渡そう。
ちなみにティアナ姉ちゃんは、レオナねえ達と一緒に釣りを始めたようだ。
ボク達もそろそろ貝の捕獲に行かなきゃだね。
まだ到着したばかりだけど、すでにメチャメチャ楽しいです!
無人島、いや、『リリカ島』最高!!
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