第156話 水色ストライプハムちゃん革命

 ハムちゃんの頬袋に時間停止機能が付いているかの検証だけど、調べるまでもなくハムちゃんが『あまり古い物は食べられなくなるのよ?』と報告してくれたので、時間停止じゃなく時間遅延効果だということが判明した。


 なので、召喚獣にアツアツコーヒーを収納したまま消して、謎空間に入れておいた場合はどうなるのかの検証だけ行うことにする。


 ナナお姉ちゃんが『水魔法の水は不味い』と言っていたので、とりあえず水魔法のハムちゃんは何体も使わないだろうと思い、ハムちゃん(青・緑)に淹れ立てのコーヒーを収納したまましばらく謎空間に放置することが決定。


 ハムちゃん(青・緑)には悪いんだけど、しばらく謎空間で眠っていて下さいね!



 そして当然ながら、ハムちゃんの頬袋に時間遅延機能が付いていると知った家族のみんなはとても驚いていたぞ。



 そこでお母さんは、水色に黒い縞模様の入ったハムちゃんを正式採用。

 収納が【2】あって、氷魔法を使うハムちゃんだ。


 理由はもちろん、持ち運びの出来る大型冷蔵庫になるからです!


 台所で食材を出し入れしたり冷やしたりすることが出来るし、買い物先ですぐに冷蔵庫にしまうことが可能だし、氷魔法でお母さんを守ることだって出来るのだ。


 クリスお姉ちゃんは、黄色に緑の模様が入った収納【2】のハムちゃんを選択。

 雷を風に乗せて、遠くの敵まで攻撃することが出来るハムちゃんだ。


 グラマーな美人さんなので、たまに痴漢被害に遭うらしく、『これで撃退してもらうのよ!』って言ってた。かなり良い選択をしたんじゃないかな?


 でもってティアナ姉ちゃんは、収納【2】の薄茶色のハムちゃんを選んだ。

 特にこれといった理由は無く、ただ可愛いから決めたそうだ。

 薄茶色の子は耳が白くてフサフサなのです!たしかにアレは可愛い。


 タマねえだけまだ保留。もう少し考えるってさ。

 たぶん自身が最強クラスに強いから、便利かどうかで決めたいんだと思う。


 家に置いといて、普段は家族のために使うんじゃないかな?

 自分のためじゃないから悩んでる感じです。



 そして翌日。



 白と水色のストライプハムちゃんから面白い話を聞いたので、実験してみようって流れになりました!


 なんと『気持ちいい水が出せるのよ?』とか、よく分からんことを言ったのだ。


 ならば向かうのはお風呂!

 浴槽にその『気持ちいい水』を溜めてもらってるところです。



「もういいんじゃないかしら~?」

「だね!ハイお水ストップ!じゃあ紅白ハムちゃん、お風呂を沸かして下さい!」


『チュウ!』



 そうなのです!

 ティアナ姉ちゃんがいなくとも、お風呂が沸かせるようになりました!

 ハムちゃんズ便利すぎだろ!!


 そして間もなくお風呂が沸いたので、まだ昼前だけど、リリカちゃんと三人で湯船に浸かってみることにしました。




 ◇




 カポーーーーーン



「めっちゃ気持ちいいんですけど!!」

「これはすごいかも~!疲れが抜けていくようだわ~!」

「きもちいいねーーーーーーーー!!」



 本当に何なんだこれは・・・。


 癒しの水なの?水色ストライプハムちゃん有能すぎいいいいいいいいいいい!

 もうこのハムちゃんコンビは、お風呂当番に決定です!


 そしてお風呂から上がり、ドライヤーをかけている時にふと気付く。



「なんか、お母さんのお肌がツヤツヤしているような・・・」


 それを聞いたお母さんが、食い気味にパッ!と振り向いた。


「やっぱりクーヤちゃんもそう思う!?」

「うん。間違いないと思う!」

「おかーさんつやつやーーーーー!!」

「これは革命だわ~~~~~~~~~~!!」



 当然ながら、脱衣所を出てからもお母さんはずっとニコニコとご機嫌だった。


 気持ち良いだけじゃなく美肌効果まであるとなると、マジで革命じゃない?

 お姉ちゃん達も、このお風呂に入ったら仰天するぞ・・・。



「みんなおはよーーー!」


 あ、タマねえが遊びに来た。

 そういえば1週間の休みをとったから、今日も学校はお休みなのか。


「タマねえおはよーーーーー!」

「あらタマちゃん、おはよ~~~!」

「おはよーーーーーーーーーーーーー!!」

「そうだタマねえ!まだお湯が温かいから、お風呂に入ってみなよ!ボク達はもう先に入っちゃったけど絶対驚くよ!」

「・・・え?こんな早くからお風呂に入るの?」

「タマちゃん!絶対入った方がいいわよ~!オススメなのよ~!」



 超ご機嫌なお母さんのゴリ押しもあり、意味が分からないままタマねえは浴室へと入って行った。




 ◇




 ガチャッ!



「クーヤ!何なの?このお風呂!!」



 タマねえがお風呂から上がって来た。

 かなり驚いているということは、効果を実感したということだ。



「えーとねえ、水色ストライプハムちゃんのおかげなの!」



 タマねえに、さっきまでの一連の流れを説明した。



「水色ハムちゃん借りていい?家のお風呂にその癒しの水を入れて欲しい。でね、タマのハムちゃんはお風呂を沸かせる子にする」

「なるほど・・・。ご家族の健康を考えて決めるとはさすがタマねえだ!じゃあ赤いハムちゃんで、収納が【2】ある子にしよう」



 ハムちゃんを何体か出すと、タマねえは赤毛で黄色い模様の入ったハムちゃんを選択。すぐに水色ストライプハムちゃんを連れて自分の家に向かった。


 でもって自分のお風呂に癒しの水を入れて沸かした後、すぐ水色ハムちゃんを返しに来た。


 急いでるわけじゃないのに、お風呂の用意が出来た直後に返却するってのが、律儀なタマねえの良い所ですね!


 その後すぐタマねえのご家族がお風呂に入って試してみたようで、肩こりや腰の痛みが和らいだという報告を受けた。当然ながら彼女もしばらくご機嫌でした!



 さて、残るは三人のお姉ちゃん達がどういう反応を見せるかです。

 めっちゃワクワクして来ましたぞーーー!

 

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