第155話 超絶カオスな我が家
我が家はハムちゃんで埋め尽くされ、強面のメルドアですら完全にフリーズしている中、満面の笑みでハートを撒き散らかしているリリカちゃんが真っ先に動いた。
もふっ
目の前にいた、ハムちゃん(ピンク)を抱きしめる。
「うわあ~~~~~~、やわらか~~~い!!もっふもふだーーーーー!!」
もふもふ もふもふ もふもふ もふもふ もふもふ もふもふ もふもふ
もふもふ もふもふ もふもふ もふもふ もふもふ もふもふ もふもふ
その瞬間を見逃さず、2体のハムちゃんに指令を出し、リリカちゃんの背後からハムちゃんを抱きつかせて、もふもふ
「むっきゅ~~~~~~~!!あったかーーーーーーーーーい!!」
幸せいっぱいのリリカちゃんを微笑ましく見つめていたお母さん達だったが、自分らの目の前にもハムちゃんがいることを思い出し、そっと抱きしめた。
もふっ
その毛並みの柔らかさと温かさに、お母さん、クリスお姉ちゃん、ティアナ姉ちゃんの顔が
大サービスで彼女らの背後にいたハムちゃんに指令を出し、もふもふサンドイッチにしてあげた。
もふもふ もふもふ もふもふ もふもふ もふもふ もふもふ もふもふ
もふもふ もふもふ もふもふ もふもふ もふもふ もふもふ もふもふ
こうなるとしばらく桃源郷から帰って来なくなるのは実証済みなので、ついでだからとレオナねえ達やタマねえも全員もふもふ
************************************************************
「・・・というわけで、みんなに1体ずつ貸し出すことにしました!」
「「やった~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!」」
一緒の家に住んでいるのに専属のハムちゃんなんて必要かな?って思ったりもしたけど、自分だけのマジックバッグがあれば絶対便利だと思うのですよ。それに魔法が使えるから、お出掛けの際の護衛にもなるのだ。
逆にハムちゃんを誘拐される可能性があるけど、召喚獣だから消せばいいだけだし、召喚獣はボクの密偵にもなるから、犯人を捕まえるのも楽勝だしね。
悪者には容赦なく『特別攻撃隊』で、キツいヤキをぶち込んであげますとも!
とはいえ魔物のスタンピード直後だから、お母さんの買い物なんかのお供をするとかは少し様子を見てからかな?レオナねえ達がハムちゃんを連れ回すことで、珍しいモノじゃなくなっていくだろうから。
「今じゃなくてもいいので自分のハムちゃんを1体選んで下さい!ボクの知り合いみんなに貸し出すつもりだから早い者順だよ!」
「リリカもうきめたーーー!このハムちゃん!!」
悩むと思いきや、リリカちゃんが食い気味に反応した。
さっきからずっと抱きかかえているピンクの子に決めたようだ。
リリカちゃんはいちごパフェが大好きだから、あの色が好きなのかも。
「はい、リリカちゃん決定!」
ワー パチパチパチパチ!
「でも、それぞれみんな使える魔法が違うのよねえ?」
「紙に書いてある通りだよ!不明な子もいるけど」
「私は生産職だから、攻撃魔法持ちの子がいいのかしら?」
「でもクリスお姉ちゃんの場合、服とかいっぱい収納したいんだよね?」
「そうなのよ!」
「じゃあ魔法の威力は弱くなるけど、攻撃魔法が使えて収納が【2】ある子がオススメかな?」
「そうしましょうか。お母さんも同じタイプの子がいいんじゃない?」
「お母さんよく分からないわ~。決めてもらえるかしら~?」
「うーーーー、私はどうしよう!?ウィッチだから魔法は無くてもいいし」
「テキトーに可愛いのでいいんじゃねえか?後から変更するのも可能らしいぞ!」
そんな感じでみんな悩みながらも、最終的には色や模様の好みで決めていった。
残ったハムちゃんの中から選ぶことになるけど、変更も受け付けますよ!
ってことで、部屋が狭いから一旦ハムちゃんを全員消した。
「おおおお!広くなったーーーーー!」
「ん?全部消したのか」
「ちょっと待って!廊下にいた私達のハムちゃんは?」
「あーーーーーーー!廊下がお肉まみれになってるんじゃないの!?」
「しまったーーーーーーーーーーーーーーー!!」
ガチャッ
慌てて廊下に飛び出すと、そこには何も無かった。
「・・・・・・肉は?」
「ハムちゃんもいないし、肉も無いね」
「クーヤちゃん?」
みんなの視線が突き刺さる。
「何が起きたのかさっぱりわかんないっスーーー!レオナセット召喚!!」
3体の白いハムちゃん達が出現した。
「えーとハム助!メメトンゼロの肉は?」
『チュウ?』
ハム助が廊下にメメトンの肉を出した。
「「出て来たーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」」
これは一体どういう現象なんだろう?もしかしてハムちゃんが収納した中身って、召喚獣達が帰る謎空間に持ち運べるの!?
掃除機の中身は飛び出したのに、普通の召喚獣は別扱いなのか・・・。
そういやメルドアが食べたモノとか、消しても飛び出さないもんな。
・・・待てよ?
ひょっとすると、収納したモノが時間停止する可能性があるのでは!?
だとしたらすごい大発見だぞ!検証しなきゃ!!
「すごいことを発見したかもです!実験開始だーーーーーーーーー!」
「は?凄いこと?」
「またクーヤちゃんが変なことを言い出した!」
「いつも変なことばかり言ってるよ?」
食卓に移動し、カップを二つ取り出してコーヒーを淹れた。
一応ミルクと砂糖を入れてかき混ぜる。
「じゃあ赤いカップは白ハムちゃんが収納して下さい!こっちの青いカップはハム助が収納してね!」
そしてハム助の方だけ消して、30分ほど時間を潰します。
「そろそろ時間だぞ?」
「よし!ハム助召喚!!」
ハム助が出現した。
「白ハムちゃん、さっきの赤いカップを出して!ハム助もここに青いカップを出してね!」
ハムちゃん達が床の上にコーヒーカップを並べた。
「さあ緊張の瞬間です!」
赤いカップのコーヒーを飲むと、淹れ立てのアツアツだった。
「あれ?」
青いカップのコーヒーを飲むと、こっちもアツアツだった。
「・・・・・・どっちもアツアツなんですけど!!」
「熱々?いや30分も経てば、もう温くなってるだろ」
レオナねえがコーヒーを一口飲み、大きく目を開いた。
「アツアツなんですけど!!」
「「えええええええええええええ!?」」
そしてアイリスお姉ちゃんとナナお姉ちゃんもコーヒーを飲んでみたんだけど、淹れ立てのアツアツコーヒーだったことに驚愕する。
「もしかしてハム助の頬袋の中って、時間が停止しているのか!?」
「だとしたら大発見じゃないの!!」
「時間の流れがゆっくりなのかもしれないけど、どちらにしてもすごいよ!!」
まさか召喚獣の謎空間とか関係なしに、ハムちゃんの頬袋に時間停止機能がついてるとは驚きだった・・・。時間遅延状態なのかもしれないけど。
次は、アツアツコーヒーを1週間くらい入れっ放しにして検証かな?
◇◇◇
ブックマーク・☆・💛、そして誤字報告をしてくれている皆様、
いつも本当に感謝しております!これからも応援宜しくお願いします。
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