勇者ソロの冒険

勇者ソロは、魔王に囚われた王女ソフィアを助ける為、仲間三人を従えて旅をしていた。


ある村に着いた時、魔王の手下五人がバーで暴れて村人を困らせていた。


「おい、お前達、乱暴をやめないと、俺の手下がただじゃおかないぞ!」


魔王の手下は、一瞬でソロの仲間三人を切り刻み、地面に肉のミンチが積み上がった。


「へ? どゆこと? 普通、悪者の手下のザコキャラって、すぐやられて、泣きながら、親分に言いつけるから覚えてろよ!とか言いながら逃げていくもんでしょ?」


「次は、お前の番か? 最後に言い残すことはないか?」


「あのですね。い、命だけは助けて頂けませんでしょうか?」

勇者ソロの地面に、温かく黄色い液体が広がっていった。


「まぁ。俺達はこんな生き恥をさらして懇願するやつを殺すほど冷酷じゃないからな。」


バーに残された勇者ソロは、多くの村人の前で思案していた。


「いつものゲームなら、リセットすれば済む話だが、これは現実のようだ。一つ言えるのは、この村人達を、生きてこのバーからだす訳にはいかない、と言う事だ。」


勇者ソロは、逃げ回る村人達を無残に、皆殺しにした。


「ふぅ〜。これで大丈夫。いくらザコでもこれだけ殺すのは骨が折れるな。」


他の村人が、バーの惨状を見て、悲しみを通り越して、呆然としている。



「みなさん。本当にすみません。」





「あと一歩の所で、魔王の手下を取り逃がしてしまいました。こんな蛮行を行う魔王は断じて許せません。魔王退治の為の資金を、皆さんで寄付して頂けませんか?」



魔王を倒すまで、勇者ソロの旅は終わらない。

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