チャットで幸せについて考えてみた

あなたは今、幸せだろうか。今の生活に不満はないだろうか。


幸せを追求する上で筆者が大切にしている考えがある。「こうだったら良いのにな」と「こうじゃなかったら良いのにな」を分けて考えることである。前者は実現したいポジティブ要素、願望であり、後者は今抱えているネガティブ要素、ストレスである。筆者で言えば「TOEICで満点を取れたらいいのにな」という願望と、「食器を手で洗うのが嫌だ」というストレスがある。あなたが幸せを求める時、「ポジティブ要素の実現」と「ネガティブ要素の排除」のどちらに向かって行動しているだろうか? 筆者のオススメは、「ネガティブ要素の排除」を優先することだ。


「ネガティブ要素の排除」といえば、やはりNだ。

Nはニートになることによって「労働」というストレスを完全排除した男である。当然、通勤のストレスもないし、職場での人間関係や、仕事での失敗に怯える必要もない。実家では衣食住も保障されている。筆者の目には、非常にのびのびと暮らしているように見える。Nに「こうじゃなかったら良いのになと思うことは無いかと」聞いてみたところ、「三大欲求がなかったら良いのにな」という返事が帰ってきた。いかにNが俗世的なストレスと無縁かが分かる。


のんちゃん(筆者)> 生活していて、「こうじゃなかったら良いのにな」って思うこと教えて。 (2021-12-12 19:59:16)

N> 3大欲求がなければいいのにな (2021-12-12 20:10:44)

のんちゃん> なんでそうおもう? (2021-12-12 20:17:48)

N> あと排泄もしたくないな (2021-12-12 20:18:44)

N> 生理現象って (2021-12-12 20:19:00)

N> 自分の意思関係なく生じるから (2021-12-12 20:19:08)


Nの発言からは、自分の意思でコントロールできるストレスは、極力排除していることが伺える。それでは、Nは幸せなのだろうか? 恐らく、圧倒的に幸せ...というわけではないだろう。収入が無いということは、欲しいものが欲しいときに買えない場合があるということだ。しかし欲張りさえしなければ「ストレスの無い平穏な生活」を手に入れることはそう難しくはない。ニートになるのも一つの方法だし、生活保護のような社会システムを頼るのもありだろう。大事なのは、Nがネガティブ要素の排除によって、ストレスの少ない安定した精神状態を手に入れたという事実だ。もちろん、タンスの角に小指をぶつけるような意識的に回避できない不幸というのは起こるが、積極的にストレスの排除を続けていけば、残るのはほとんど「ポジティブ要素」だけになる。


最近Twitterで見かけた面白ツイートにこんなものがある。

「オタクって、まず普通になろうとせずに、いきなりオシャレになろうとするよな」というコメントだ。服装のダサい、いわばマイナスにいるオタクが、とりあえずフツメンになろうとするのではなく、突然イケメンになろうとするという行為の無謀さを笑ったものである。幸福に関しても、同じことが言えるのかも知れない。ストレスの多い生活を送っているにも関わらず、ストレスの排除を後回しにしてポジティブ要素を増やそうとしている人が多いように感じる。しかし突然幸せになろうとするのではなく、まずは回避できる不幸を身の回りから取り除くことが大切なのではないだろうか。


Nは「特別な成功者」というわけではないが、ニートになることでストレスを可能な限り減らすことには成功している。もしも今の生活がずっと続いていくのなら、それで全く構わない。そう思えるために必要なのは「幸せになること」ではなく、「不幸ではなくなること」が肝心なのだろう。更に大きな幸せを求めるのは、その後からで充分だ。あなたは今、幸せになろうとしているだろうか。それとも不幸ではなくなろうとしているだろうか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

チャットでニートを飼ってみた のんちゃん @mkbn0011

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ