140、ツナ缶 (お題:買い物)
買い物カゴを見て、ため息をついた。中には見慣れたツナ缶が1個。
私の入れたものではない。気がつくと、なぜかいつもカゴに入っているのだ。
初めは勘違いかと思った。だが、違う。棚に戻しても、いつの間にかまたカゴに入っているのだ。いたずらかと周囲を警戒してみたが無駄だった。
もちろん、気味が悪いので開缶することはない。だが、捨てるのも何だか怖い。自然、台所にツナ缶が積み重なっていった。
ある日、例のツナ缶が店頭から一斉に消えた。業者が自主回収したという。いくら調べても回収理由は判然としなかったが、それ以降、例の現象はぴたりとやんだ。
けれど。
これ、どうしよう――溜まったツナ缶の山を前に、私は途方に暮れている。
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