127、愛しのスライム (お題:スライム)
スライムの飼育が流行した。
大きさも色も、種類は豊富。ぷるっとした触り心地も好評を博している。
何より世話が楽だ。食事はゴミや雑草だけでいいし、排泄物もない。
ただし、肉を与えてはいけない。肉の味を覚えた個体はいずれ人間を襲うからだ。
だが愛着からだろう、肉を与えて自分が食われてしまう飼い主が後を絶たない。可愛さ余って肉、と揶揄されるほどだ。
スライム愛好家の友人が姿を消した時も、私はそれを心配した。だから、数日後に彼が訪ねてきた時は心底安堵した。
「ずっと病院に行ってたんだ」
やはり襲われたのか?――そう尋ねる私に、彼は涙を浮かべて首を振った。
「ミーちゃん――あの子は死んだよ。鶏肉アレルギーだったらしい」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます