92、プリンの行方 (お題:プリン)
私はプリンが好きだ。冷蔵庫にも欠かさず常備してある。
ただ、そのストックが知らないうちに減っていることがある。そう、誰かが私のプリンを盗み食いしているのだ。
私は密かに隠しカメラを設置した。成果はすぐに出た。夜中に冷蔵庫を漁る姉の姿が捉えられたのだ。
映像を突き付けると、姉は頭を掻いて苦笑いした。
「誤解だよ」
彼女によると、プリンを盗られた私を可哀想に思い、こっそり補充していたのだという。
「それならそうと言ってくれれば」
「……そんな、照れるでしょ」
はにかんだ笑顔を浮かべる姉。そんな彼女に、思わず胸が詰まりそうに――ならなかった。
ぱあん。思いっ切りその頭を引っ叩く。
「何でプリン盗られたこと知ってんだよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます