「この間、ハロウィンパーティをしたんだ」

　友人が言った。

　パーティはなかなかの盛況で、会場はカオス状態だったという。

「で、その中で一番すごかった仮装は何だと思う？」

　少し考えて、私は応えた。

「普段着とか？」

　周りが仮装すればするほど目立つ、という仕組みだ。

「惜しい。たしかに普段着だったんだけど、理由が違う」

「理由？」

「そいつは宇宙人だったのさ。で、人間の仮装をしていたんだ」

　私は盛大にため息をついた。

「宇宙人オチかよ。てことは全部作り話か」

「どうして？」

「宇宙人なんていないし、いたとしてもどうしてお前に分かるんだよ」

　彼が大口を開けて笑った。喉の奥に一瞬何かが蠢いたように見えたのは、きっと気のせいだろう。

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