82、13 (お題:13)
「13」づくめの日だった。
営業を断られること13回。13回目のコールでようやく繋がる取引先。13分遅れの地下鉄。
そもそも、日付からして10月13日。ついでに金曜日だ。
「ふう」
ようやく仕事を終えた私は、家路で思わず一息ついた。相当に心がざわついてる。それはそれで仕方のないことなのだが。
「おかえり!」
玄関を開けると娘が走ってきた。
「ただいま」
居間では、すでに準備万端で妻が待っていた。ケンタッキーのフライドチキンにいなり寿司。娘の好物なのだ。そして、テーブルの中央には飾り立てられたホールケーキ。
電気が消される。
「ハッピーバースデー」
三人で歌い終えた後、娘はケーキに立った13本のろうそくを吹き消した。
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