5、きゅうりかクレープか、それが問題だ (12/9:クレープの日)
家族三人でお昼を作ろう、となったまではよかったのだけれど。
「準備が簡単だし、クレープよね」と母が言えば、「馬鹿な。寝言は俺の手巻き寿司を食べてから言え」と父。しまいには「きゅうりのクレープ巻きはどうだろう」と不穏な意見が。何だきゅうりのクレープ巻きって。
「さっちゃんはどっちがいい?」
二人が同時に私を見つめる。うぐ、小学生にストレスをかけるな。仕方なく私は答えた。
「クレープ」
がっくり崩れ落ちる父。
「でも」
父に笑いかける。
「美味しいのが食べたいから、お父さんが作ってよ」
途端にぱっと顔を輝かせると、父は胸をどんと叩いた。
「おお、任せておけ」
うん、単純。
こうして、きゅうりクレープ危機は無事回避された。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます