4、パスタ結び (12/8:生パスタの日)
「どんな相手とでも仲良くなれる方法、知ってるか?」
先輩が言った。
「相手の好物を食べ続けるんだ。そうすると、身体の匂いが変わる。相手の好きな匂いに。人の身体は食べ物でできているからな」
なるほど。納得した僕は、翌日からパスタ漬けの生活を始めた。同じゼミに気になる子がいるのだが、彼女が無類のパスタ好きなのだ。けれど、期待に反して彼女との距離は一向に縮まらなかった。
「どころか最近、避けられてるんですが」
「嫌われるようなことしたんじゃないか?」
何たる言い草。荒々しく首を振る。
「じゃあ、パスタ食べる回数が少ないとか」
「それこそ、毎日食べてますよ」
僕はため息をついた。
「あれ以来、一日三食ペペロンチーノです」
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