土地探し③
「13時間45分か」
プリンが看板を書き終えた時間だった。
依頼したとき以来、一人黙々と絵を描き続けていた。
ちょこちょこ見に来ていたが、進捗が面白かったので俺自身楽しい時間だった。
肝心の出来栄えは…………………………
最高だった。
全く、求めていたものだった。
どうやら絵だけじゃなくて、デザインの才能もあるみたいだ。
この絵には、繊細さがあるわけではないが、分かりやすく可愛い系の絵だった。
「プリン、本当に絵上手いじゃん」
「そんなことないですよ。誰でもかけますよ」
「そんなことない。この絵を描ける人はほとんどいないはずだ。最低限、俺は見たことがないよ」
「それはそうですよ。だって、記憶喪失じゃないですか」
そういえば、そういう設定だった。
しかし、前世も含めてこんな絵を描ける友達はいなかった。
「そうだね」
「描いたので、ご褒美欲しいです」
目を合わせず、プリンはそう言ってきた。
「何が欲しいんだ?」
「最近、イチャイチャできてなかったじゃないですか。」
「うん、そうだね」
そんな、ことを言われたら。
期待してしまう。
「少し、イチャイチャしませんか」
「いいよ、何したい?」
白い肌を、赤色に染めながら。
「キスしたいです」
「うん」
ドキドキする。
ドキドキするのは、いつ以来だろう。
前世でも、ドキドキすることはあった。
しかし、このドキドキはその時とは違う気がした。
「ご主人様から来てください。私からは恥ずかしくてとても……………………」
「そんなこと言ったら襲っちゃうぞ」
「そう言って、できないことは私は、知ってます。まぁ〜でも、襲われてもいい覚悟はしていますよ〜」
よくわかってらっしゃる。
こう言われてしまうと、俺は手を出せない。
て言うか、忘れてたけど相手14歳だし。
その日は、キスして終わった。
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